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日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2011
藤田寛之は日本タイトル連勝記録がかかる
「自分でも、何を悩んでいるんだろう、と。何が不満なんだろう、と」。
苦笑交じりに自問自答はするものの、しかしこの選手が満足することは、この先もきっとない。
逆を言えば、それこそが今年42歳を迎えてなお、第一戦で戦い続ける原動力。
このプロ日本一決定戦を制するには、「このままでは届かない。ショットのキレを良くするとか、よりパットを入れるとか、何かプラスαが必要です」。
徹底して逃げると決めていた、ここ小野東洋ゴルフ倶楽部の罠は102個のバンカーも、この日は避けきれずに、2ホールで捕まった。そのうち1番で、パーセーブにも失敗した。。16番では、3打目のランニングアプローチを「ダフってしまった」。傾斜を登り切れずに戻ってきた。10メートルのパーパットに3回かかってダブルボギーを打つなど「この歯切れの悪さでは、日本タイトルには甘い」。
どこまでも自分にダメ出しの藤田にとって、大事な週末こそ19歳と離れるのは痛い。
予選2日間を一緒に回った石川遼。
「思い切りの良い“教科書”がいたから、自分も思いきりよく行こうと思えたのに」。
人に頼らず、自らが引っ張って行く存在になりたいのはやまやまだが、「そうするにも調子が悪いので」と、あいかわらず弱気だ。
昨年12月のゴルフ日本シリーズJTカップでツアー通算10勝目は年をまたいで、いわゆる“日本タイトル”の連勝記録もかかるが、「興味はあるけど、まだ大会は折り返し」と、視野にない。「まだ残り2日。上で残っていたいけど、どうなるか。ドキドキ出来るところでやりたい。最後まで諦めずにやりたい」。
藤田とは、1打差の8位に迫る谷口徹は、昨年大会で優勝を争った“アラフォーの星”同士。今年も心情の粘り強さを武器に、「去年の再来」といきたい。