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日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2011
松村道央が首位タイに
引き続き難条件に、スコアが伸び悩む大混戦に松村もまた例外ではなく「前半は、トラブル続き」。
まず3番で、ボギーが先行。5番のパー5(575ヤード)はフォローの風に、「2オンのチャンスホールだ」。取り戻そうと欲張った。「ティショットは左のOBを警戒しすぎて右の土手」。
行ってみると、運悪くボールが松ぼっくりの上に乗っかっていた。
「どかすと動いてしまう危険があった」。
つま先上がりのライも、意を決して5番アイアンであるがままに打ったら「右にシャンクのような球が出た」。
あわやOBすれすれのピンチも「ナイスボギー」にとどめて「よく我慢出来たと思う」と安堵の溜息。
「いつもの自分なら慌てふためいてドタバタだった」。
難しいコンディションに、「イーブンパーなら最低限クリア」と頭を切り換え冷静に、またこの日はスタート前に、同伴競技者だった丸山茂樹が腰痛で棄権して、伊澤利光と思いがけない2サムプレーを楽しむよう、心がけたという。
「急いでやっても前の組に追いついちゃう。伊澤さんと話をしながらのんびりといったのが良かったと思う」と、後半2つのバーディで取り返した。
上がり2ホールにさしかかったとき、「キャディが勝手に教えてくれた」。
松村が師匠と慕う、谷口徹が当時4アンダーで並んでいた。
今週は、練習日にアイアンショットを教えてくれた。その成果をいま、実感している。
いつも手厳しいが、実は優しい先輩が、諦め気味に言っていたのは初日だ。
4アンダーは、3位タイの好位置につけた松村に対し、イーブンパーは37位タイとやや出遅れた谷口は、風呂場で「今週は道央に優勝を託したわ」。
しかし、ストレッチを終えて、風呂場を出る頃には「明日終わったらどうかな。道央を抜いているかも」。
「・・・全然、諦めてないんです。谷口さんは、実はものすごく俺を意識している」。
連覇を狙う師匠と、初の日本タイトルを狙う弟子。
「ぜひ勝ちたい試合。谷口さんの後ならなおさら勝ちたい」。良き先輩で良き目標に、2打のリードをつけて大会を折り返す。