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ANAオープンゴルフトーナメント 2012
丸山茂樹が68をマーク
これに共感しないではいられなかった。
大会前日の12日に43歳の誕生日を迎えてつくづくと思った。
「最後の後厄がやっと終わった」。
この3年間は肩に腰、右ふくらはぎの断裂、膝痛・・・また今年になって左手親指の付け根の慢性亜脱臼など、まさに怪我との戦いだった。
治療とリハビリに明け暮れる日々は、「こんな状態で、ゴルフをやっていても面白くない」。
しかし、12歳になる長男の奨王(しょうおう)くんは、アメリカでゴルフの実力をメキメキと伸ばして、「せめてもうちょっと頑張って、生き様というものを見せていかないといけない。ここが我慢のしどころ」と、気力を振り絞ってきた。
いかんせん昨年から今年にかけて、ツアーで獲得した金額はようやく300万円ほど。「他のアルバイトをしたほうが、稼げそう」と、あえて冗談めかして「この状況を、怪我のせいにしてしまう自分もいて。ここ3年間は、負のスパイラルに陥っていた」と、苦笑交じりに打ち明けた。
今週は、開幕前日に電話をくれた両親に言われた。
「42歳も終わってこれからは、いいことあるんじゃないか?」。
43歳のバースデーウィークは、そうであって欲しいと本人も、祈る思いで出ていくなりいきなりの好発進に、「満身創痍でも頑張っています」と、久しぶりのマルちゃんスマイル。
自ら厄開けの誕生日を迎えた週に、金本さんの引退会見を見たことは感慨深い。
「自分はこれからも怪我とつきあっていくしかないのか、別の道を行くのか。まだ分からない」。
しかし海外メジャーのコースには、“丸山伝説”が今もしっかりと残っている。
「子供が訪れたときに、あのシゲキの息子かと言われたりして。お父さんは凄いんだね、と」。愛息も、米ツアー3勝の父が歩いてきた軌跡をちゃんともう、理解できる年齢に達したからこそ、「お手本になれるように、もうちょっと頑張りたい」。
そう思うにつけても、気合いが入る。
国内10勝も、ANAオープンは未勝利。「上位にも、行けていないし、このままではダメ。やっぱり何かを残したいと思うので」。大会は40周年の記念の年に、自身は43歳の記念の週を迎えて輪厚に苦闘の証しを刻みたい。