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コカ・コーラ東海クラシック 2012

ルーキーの川村昌弘が三好で好発進

昨年の日本アマの舞台にもなった三好は、地元三重県出身の川村にとってはなおさらなじみの深いコースではあるが、それにしたってこれほどの難しさは経験がなかったはずだ。

テレビ解説をつとめる芹澤信雄も、クラブハウスのマスター室前にあるスコア検索用のパソコンに目を剥いた。
「川村くんは、2アンダーだって?! 凄いよね!」。
いつも、落ち着き払った物腰を思い返すにつけても感心しきりで「彼って、本当に19歳なの?!」。
以前、何気なく見ていた練習風景もまた、年齢にはそぐわない絶妙のアプローチについ弟子の宮本勝昌にも言ったほど。「お前もあんな練習をしないと!」。

ベテランでさえ舌を巻く好発進。
今年、デビューしたばかりの新人には初めて尽くしの経験も、自分流を貫く。
たとえば、日没の関係で今大会から出場人数がぐっと減って、スタートも午前中のアウト・インのみ。
同時に前半のハーフが終わっても、まだ全組のスタートが終わっておらずにどうしても数十分の間があく。

川村の組は約40分のインターバルがあった。空いた時間はパットとチップショットの練習のみ認められているが、川村はあえて茶店で「ぼーっと過ごした」。

ジュニア時代から、「意味のないストロークはしたくないという思いがあった」。
厳密に言えば、まだラウンド中であり、本来なら「1球の勝負しかない」。
何球も打ち直しなど出来るはずもなく、たとえそれが許されているにしても、「違和感があったしそのことで、かえってリズムを崩すのが嫌」と、頑として茶店から立たなかった。

コースでも、玄人好みのプレーだ。
本人は「ティショットが立ちづらいホールが多い」と、難コースを前にして苦肉の策。
「アゲンストでもないのに、低い球で攻めた」。
得意のパンチショットは「キャリーで230ヤードあたりから、転がしまくった。50ヤードも転がったホールもある」と、笑った。

19歳なりの安全策を駆使して、5位タイにつけた。
前半は3アンダーで迎えた16番のパー3は、崖下に落として「グリーンを狙うのは厳しい」と、あえて残り80ヤード地点のフェアウェイも戻して改めてピンを狙う場面も。

結局、ダブルボギーにはしたが、淡々としたものだ。
「このコースは1ホールで一気にスコアを落とす可能性がある」と、動揺も見せずに後半は2アンダーでまとめて好スタートを切った。

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