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〜全英への道〜ミズノオープン 2012

こちらは復活にかけるベテランのホストプロ2人! 鈴木享と桑原克典は・・・

「もう弱音は吐かない!」と鈴木
出場11人のうち、最年長の“ホストプロ”がこの人。鈴木享、46歳。募りに募る思いを、この一言に集約させた。「ここで勝ちたい。それだけです。それ以外には何もない」。

初出場は90年だった。
「それから今まで、この大会で2位や3位はあったと思うが、勝ちきれないまま来てしまった。思い焦がれて20数年。今年こそ勝ちたい」と、また繰り返す。

昨季は首のヘルニアを患って、18年も守ってきた賞金ランキングによるシード権を失った。
復活にかける今季はオフの治療と調整も十二分に、序盤から手応えはあると言い切るだけに、7戦が終わって予選通過がまだ3試合という結果には、つい弱音も吐きたくなる・・・?!

「確かに、僕はつい“吐きがち”ですからね」と、苦笑した。
「でも、今年はそういう自分を封印しようと思っている」。

先週は、今季メジャー第2戦の全米オープン。やはり、復活にかけるタイガー・ウッズはしかし、3日目に脱落して圏外へ。「だけど、彼は気丈にこう言ったんです。『まだ、3日目の順位が決まっただけだ』と。『僕の戦いは、これからもまだまだ続く』と」。そんな姿を見て、「僕もそんなふうに、常に前向きでありたい」と、考えるようになった。それがあってすぐの今週だけに、決意の言葉にも力がこもる。「・・・勝ちたいです!」。

そして復活にかけるミズノ勢がもう一人。桑原克典は、2006年のシード落ちから一度は復活したが、2010年に再びシード落ちを喫したまま。
今季はファイナルQTランク12位の資格で、このホスト試合に挑む。43歳は「今、この年になったからこそ、気がついたことがある」。
同い年の藤田寛之や、一つ上の谷口徹らの昨今の活躍を見ていて、思ったことだ。
若いころにコツコツと重ねた努力。その花をいままさに、大きく咲かせている2人。特に藤田は、40代を越えてからの勝ち星が、それ以前を上回った。

「それでもまだ、歩みをやめない2人でもある。しかし自分は、どこかであぐらをかいたり、兜の緒を緩めた時期が、あったのではないか・・・」。2人への畏怖の思いは今、そのまま自分への反省として、跳ね返ってくる。

だからこそ今、血のにじむ思いでその埋め合わせをしようと試みるが、「こんなにやっているのに成績が出ない。そんなはずはないくらいに頑張っているはずなのに、何かやり方を間違えているのか・・・。正直つらい」と、苦しい胸の内を吐露した。

「それでもやるしかない」と、歯を食いしばる。「結果が出なくても、コツコツと、淡々と努力を続けていくしかない」と、腹をくくっている。
「イライラすることもあるけれど、それでもやめたらすべては終わりですから。必ず何かつかむものがあると信じて、上を目指してやるしかない」。

恩返しのためにも、「全英オープンには行きたいな。僕はまだ、行ったことがないから」。復活にかけるベテランが、まだ見ぬリンクスコースにも思いを馳せて、いざホスト試合に挑む。

  • 「苦しいけど諦めない」と桑原。復活にかけるベテラン2人がホスト試合で気を吐く!!

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