Tournament article

日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2012

アジアの雄! ジュビック・パグンサンが好発進

つい、舌を噛みそうな名前の選手が、暫定2位につけた。
スタートの1番は520ヤードのパー5でイーグルを奪った。251ヤードの第2打を、ユーティリティアイアンで2.5メートルにつけた。さらに次の2番ホールは7番アイアンで、やっぱり2.5メートルのバーディチャンス。
ロケットスタートで波に乗り、ボギーなしの66をマークした。

8番のピンチも、12番でドライバーを右に曲げ、16番では左にミスも、しぶとくしのいだ。
雷雲接近による中断に見舞われたのは、最後の1ホールに入る前。
17番ホールを終えたところでサイレンが鳴り、それから1時間43分も待たされたが、「向こうでは毎日のように雷にスコールに・・・よくあること。慣れっこだから」と気持ちを切らすことなく、14時17分の再開後は18番もピンの奥から丁寧にパーを拾って上がってきた。

アジアンツアーで3勝をあげている平塚哲二の宿敵が、この人だ。昨シーズン、平塚はアジアで賞金王さえねらえる位置にいた。栄光まであと一歩。それを阻んだのがパグンサンだった。

11月のバークレーズシンガポールオープンは欧州ツアーとの共催試合で、ゴンサロ・フェルナンデスカスタノとのプレーオフには敗れたが、2位賞金66万ドルの大金を手に入れた。
土壇場の大どんでん返しで平塚の鼻を明かした。

プロゴルファーの父ウワニートさんの影響で、15歳からゴルフを始めたフィリピン出身の34歳が、今季から日本ツアーに腰を落ち着けたのは、母国の雄で、日本ツアーでも7勝を上げているフランキー・ミノザのアドバイスも大きかったが、それよりももっと大きな理由があった。

たとえば欧州ツアーなら、毎週のように国境を越える旅が続く。「僕には無理です・・・」と、ついしかめっ面は、大の飛行機嫌いのせいだ。

せっかく世界ゴルフ選手権など大きな大会の資格を得ても、「飛行機に乗ることを考えると憂鬱になる」と、苦笑するほど。その点、日本ツアーはその心配がないから思い切ってプレーが出来るという。
第2戦のつるやオープンから、これで3戦目。
「特にグリーンがすばらしいですし、これからも日本ツアーで頑張りたい。まずはシード権の確保が目標です」。
アジアのキングも1年目は謙虚に、大一番に挑む。

関連記事