Tournament article

VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント 2013

藤本佳則は「最後まで、終わってみなければ」

台風15号の影響で、強い風に見舞われ混戦模様となった初日。この夏、イメチェンのビリケンさんが、好スタートを切った。先週は、夏休み明けの関西オープンで、あえなく予選落ちを喫した。それまで約ひと月半のオフは、「5ラウンドしかしていない」といい、「だから、落ちて当然やね」とニヤニヤと、先週は特にグリーン上に精彩を欠いて、実戦不足は自覚があったが、それも意図があってのことだった。

ツアー2勝目を狙うデビュー2年目の今季。「まだ1回くらいしか、優勝争いしていない。あかんでしょう」。反省しきりの前半戦。
長いオフで、もう一度体を鍛え直し、スイングを見直した。「悪くなってくると、体の動きを遮る手の動きをする」と、コーチと二人三脚で、微調整を繰り返してきた。

ここ芥屋は、ツアーで唯一のコウライグリーンも、「ラインはこうで、傾斜はこうで、と決めるとストレスがたまる」。今年はグリーンキーパーの並々ならぬ尽力で、例年以上の仕上がりを見せて、そのスピードも硬さも、選手たちが口々に「素晴らしい」と、褒めそやすグリーンでも、やっぱり芝目のクセは独特で、事細かく読み込んでも、その通りにはいかない。

それならば、いっそ「だいたいこの辺りで」と、良い意味でおおざっぱに、あとは今週から持ち替えたセンターシャフトのマレット型のパターに任せる。

スタートの10番で10メートルのフックラインが決まり、18番では8メートル弱の「ちょいスラ」も決まり、折り返して後半の2番では、14メートルの上りのスライスラインも「入ってくれたという感じ」と、思えばなおさら「新しいパターのおかげ」と感謝しないではいられない。

トレードマークの長い襟足。「正直、うっとおしかった。シャンプーしても、上はすぐ乾くのに、下はずっと濡れたまま」。傷んだ毛先も気になって、この夏にいつになく短くカットしてきた新しいビリケン・ヘアのお披露目の時。

襟足もスカっとさせて、ここから猛然と追いかけていく。いま、独走の後輩。東北福祉大の松山英樹は、2位を8000万円以上も突き放して、賞金レースのトップを走る。
「確かに前半戦であそこまで行くのは凄い。世界でも活躍して、刺激になる」と後輩に羨望の眼差しも、「だけど今後はどうなるか分からない。プロゴルファーが、みな自分が一番を目指してやっている中では、終わってみないと分からんでしょう?」と、ライバル心をちらつかせた。

関連記事