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三井住友VISA太平洋マスターズ 2013

初出場の川村昌弘が、首位タイに!【インタビュー動画】

初出場の今大会で、初日のペアリングを見て驚いた。石川遼と同じ組。前日水曜日のプロアマトーナメントでは、もしも欠員が出た場合の“補欠選手”で控えていたから、なおさらだった。「それなのに、初日はこんな良いところで回らせてもらえるの?!」と、無邪気な喜び。

試合で石川と回ったのは、ずっとさかのぼること10余年。「僕が小学校4年生くらいだったかな? ジュニアの試合」。プロになってからは、これが初。2つ上の先輩との直接対決が実現したのは今年、川村が1ステップ駆け上がった証拠でもある。

9月のアジアパシフィック パナソニックオープンでツアー初優勝をあげた。石川からその祝福を受けたのは、今から2週前の中国で。世界ゴルフ選手権「HSBCチャンピオンズ」の会場で再会したとき。

これまた初めて挑戦したメジャー級の海外ツアーで「優勝スコアが24アンダーとか、新しい世界が見れたと思う」。それだけに、この日初日は折り返して2番の連続バーディで、一時は7アンダーまで出しながら、5番のボギーで「自らブレーキをかけてしまった」と、悔やんだ。世界舞台で見たトップランカーたちのように、「そのまま、もっと突き抜けられていれば」と、一見、のんびりとした風情にも、貪欲さが出てきた。

初出場の今大会は、御殿場コースの印象を聞かれて「景色が凄い綺麗ですねえ」とニコニコと、いやいや、そうじゃなくて。コースを回った印象はと重ねて聞かれて、「あぁ、そちらですね」と笑って「グリーンが速い。傾斜もあって、楽しい。やりがいのあるコースです」と昨年覇者の石川と、揃ってバーディを取り合えば、なおさら楽しい1日となった。

今大会は初出場ながら、初日にトップに立った日本人選手は今までいなかった。「最近は、大きなオーバーパーもなければ、アンダーパーもなかったもんで。自分でも嬉しい。久しぶりに長いパットがよく入ってくれた」と、初体験の高速グリーンにも難なく馴染んだ。

近頃は、いつも付き添っているお父さんもお母さんも、コースであまり姿を見かけない。免許を取って、自分で運転するようになって、「出番がなくなった」と寂しがっているご両親の心も子知らずで、独り立ちの秋に20歳が、さっそく次の2勝目を虎視眈々と狙っていく。


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