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ダンロップフェニックストーナメント 2013
単独3位の片山晋呉は「あとは勝つだけ」
オフは、必ずここフェニックスカントリークラブに来て数ヶ月間を過ごす。「家でやっているみたい」と、何もかもを知り尽くした自分の庭で、1360万円を加算して、5年ぶりのツアー通算27勝目を飾った今季は「・・・何年ぶりだろう?」。2009年シーズン以来、実に4年ぶりの獲得賞金1億円越えに「40歳を越えてもそういうことがまだ出来る。みんなに何かを与えることが出来る。よくやっているな、と自分でも思う」と、感慨深い。
不惑の充実感も、完全燃焼にはまだ足りない。自身6度目の賞金王も、まだ諦めてはいない。これで、松山との差は約5300万円と、前週からまた少し縮めて気合いを入れた。
「残り2戦は勝たないと意味がないので」。破竹の21歳には今季序盤から、独走状態を許してきたとはいうものの、片山にもまだ可能性がないわけではない。
「このままハイハイ、というのはしたくないし、させたくない。1%でもあるなら」。たとえほんの少しでも、チャンスが自分にあるならそれに賭ける。松山にはこのままやすやすとは、王座にはつかせない。つかせられない。「ゴルフ界のためにも」。最後まで盛り上げなければという責任とプライドが、百戦錬磨のベテランにはある。
このダンロップフェニックスでその年3勝目(通算5勝目)をあげて、逆転の賞金王についたのは2000年。当時もここ宮崎から伝説は始まった。
「今年も、何かあるという展開になると思っている。自分の持っている運を、信じてやりたい」と、13年前の再現も視野に入れた。
これで、4試合連続のトップ10入りにも「もうこれ以上、何を変えることもないし、変える必要もない。あとは勝つだけ。そのことだけに集中していきたい」と、21歳を追う40歳の気迫もハンパではない。