Tournament article
つるやオープンゴルフトーナメント 2013
ディフェンディングチャンピオンは、藤田寛之
最終日は早朝からの強い風にも、崩れていくライバルを横目に巧みなショットと自信の小技で、寸分の隙も見せずに頂点に立った。
谷口徹とプレーオフ3ホールにも及ぶ激しいバトルを制して大会初優勝を飾った2010年に続く2勝目は、あれからさらに進化を遂げて、たゆまぬ努力に裏打ちされた自信と確信に満ちあふれていた。
謙虚な男がいつになく、強気で言った。
「2年前の僕より、今の僕の方が全然強い」。
しかし「賞金王には、正直あまり魅力を感じていない」。
それよりも、藤田が見据えたのはオーガスタの舞台だった。
その前年に初挑戦を果たしたマスターズ。「出来ることならもう一度出たい」。
あのとき否定した目標と、目指した夢。年の瀬にはいっぺんに、その2つともを実現させてしまった。
最終戦で史上初の3連覇を達成して初の賞金王に輝いた藤田は、年末のワールドランキングで50位に入って、この4月には自身2度目のマスターズに出場。
2月に肋骨の疲労骨折が発覚して、満身創痍での帰国だったが、ベテランの貫禄は健在だった。
先週の開幕戦「東建ホームメイトカップ」ではまた、荒れ狂う風の中で痛みをこらえて4位タイに入った。
連覇がかかる今週は、怪我の症状が気になるところだが、得意の山の原で今年は賞金王として、どんなドラマを見せてくれるか。