Tournament article

中日クラウンズ 2013

片山晋呉は「ひっくり返して45」【インタビュー動画】

初日より、風は弱まったが和合の難しさは変わらない。この日もカラリと乾いた晴天に、グリーンはますます硬く速くなる。「奥に落とせばもう、どうしようもない」。連日続く難条件。その厳しさは「手強いというよりも、もう最強でしょう」。
その中で、初日は2オーバーの72。そしてこの日は「チャンスは全部モノにして、ピンチをしのいだ」と、ボギー1個の68で上がって「もう最高でしょう」。

首位と1打差の単独2位は、大会2勝の貫禄だ。

連日シビアなラウンドにも、明るい笑顔が絶えない。「楽しくて仕方ない」。
過去5度の賞金王が、燃え尽き症候群にかかったのは2009年。その年のマスターズで日本人最高の4位に入ったことで、むしろ次の目標を見失い、その年から勝ち星も途絶えたまま、月日は流れた。

あの年を境に、テレビでマスターズを見ることすら避けてきた片山に、ようやく一筋の光が差したのは今年。
40歳の誕生日を機に、「もういちど、賞金王」と、再び明確な目標が出来たら自然と目覚まし時計を早朝4時に、セットしていた。
リアルタイムでマスターズを観戦しようという気持ちになった。
「あの年以来、今年が初めて」。王者が戦う喜びを取り戻した瞬間だ。

希望を胸に、迎えた今季はあこがれのスーパースターにも、度肝を抜かれた。
先週は、つるやオープンで史上初のエージシュートを達成したジャンボ尾崎。
「いや、でも“66”じゃない。62でしょう?」。
年齢を、さらに4つも縮めたスコアは、「僕らでも、1年に一度あるかないか」。
確かに62のスコアはかくいう自分も、昨年のつるやオープンの初日に出したきりだ。

それを66歳が、レギュラーツアーでやってのけたと聞けば、「敬意を表しますというのが、最大級の賛辞なのかな。もう、ありがとうございますとしか言いようがない」と、感激のあまりについ声も裏返る。

畏れ多くも、そのジャンボと肩を並べる永久シード選手の一人は、「いや、じゃあ自分も頑張るというのとは、次元が違いすぎる」と恐縮しつつも、「僕も、そういう歴史を作っていきたい」。

また21歳とは昨年の「サン・クロレラ クラシック」の最終日以来となる2度目の直接対決にも、「若手とベテランが同じフィールドで戦っているのを見せられるのが、ゴルフの良いとこ。そこに僕も入れるのは幸せなこと」と、松山とのラウンドにも、心が躍る。

歴史と伝統のこの中日クラウンズは、記念の45回目の数字と自身の名前の語呂合わせて「シンゴ大会」と位置づけて、大会初優勝を飾ったのは2004年。
2勝目は、2006年。
そして再び巡ってきた3度目のチャンスは、この54回大会。
「ひっくり返せば45」と、上手くこじつければモチベーションもますます高まる。2013年は“2度目”の「シンゴ大会」にしてみせる。

関連記事