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フジサンケイクラシック 2013

松山英樹が約2ヶ月ぶりの国内戦

久しぶりの日本ツアーは、初めてのパーマヘアで登場。米ツアーで来季のシード権を獲得して帰ってきた松山英樹が、そのあと2週間の休養を取り、満を持して舞い戻った。前日の9月3日には、米国選抜と欧州をのぞく国際選抜の対抗戦「プレジデンツカップ」のメンバーに選ばれたばかり。

日本勢としてはジャンボや丸山茂樹、石川遼らに続いて6人目の選抜入りも、ルーキーが選出されるのは、日本ツアーでは史上初の快挙に「頑張らなきゃいけない」。10月1日〜6日の日程にむけて、「あと1ヶ月しかないのでしっかり仕上げて、日本での2試合で、感じをつかんで大事な試合で頑張れたら」。

そう意気込みを語ったばかりというのに、この日は4日水曜日のプロアマ戦でも、苦笑いばかりが出てくる。
「調子がクソ悪いんでね」と自嘲の笑みで、「ショットが悪すぎて・・・どうすればいいんでしょう」と、答えが出てくるわけもない質問を、周囲に投げかけずにはおれないような状態だ。

会場のここ富士桜カントリー倶楽部はパー71の設定としては、全長がツアー最長の7437ヤードもあり、「モンスター」とも呼ばれて畏れられている。手強いコースもいま怖いものなしの新人は、「調子が良ければ、攻略できないこともないんでしょうけども・・・」と、もともと口数の少ない選手は、なおさら歯切れも悪い。

この日は、俳優の佐藤浩市さんら3人のアマチュアのみなさんとチームを組み、和気藹々に見えたラウンドも、松山自身がゴルフを楽しんでいるというよりは、「みなさんのパットが入っているのを見ているのが楽しくて」と、ほとんど傍観者のような感覚で、プレーをしていたらしい。

「試合が始まれば、集中していくんでしょうけれど・・・。明日までまだ時間があるので、調整をして、あとはアプローチとパット。そちらを重点的にやっていく感じでしょうか」と、手探りのまま、本戦に突入する勢い。

約2ヶ月ぶりの国内戦は、耳の上のサイドの髪をすっきりと刈り上げて、てっぺんの部分は生まれて初めてかけたという、パーマヘア。少し大人びて帰ってきた怪物ルーキー。賞金レースを早くもぶっちぎりで走る松山が、今週は悩みを抱えながらも富士の麓でまたどんなドラマを繰り広げるか。

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