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Thailand Open 2013

藤本佳則は「これで満足してたらだめでしょう」

ちまたでよく言われる2年目のジンクス。しかし、デビュー2年目の23歳は一笑に付した。「そんなん、僕にあると思います?」。物怖じしない性格ともっぱら評判の男はわざとふてぶてしく言ってから、愛嬌たっぷりのビリケンスマイル。

ワンアジアとジャパンゴルフツアーの共同主管による「タイランドオープン」は、自身の今季初戦でその言葉に自ら信憑性を持たせる好スタートだ。

5アンダーの11位タイは、これまた自信のアイアンショットが冴え渡る。
「もともと得意なんでね。まああのくらいでは驚かない」と、ことごとくピンを刺しても平然と「グリーンを外したホール? 12番ホールだけかな? 今日はピンチというピンチもなかったし」と、そこもしれっと“オッケーパー”でしのいで胸を張る。

もっともその分、グリーン上では「ストレスがたまった」。
独特の芝質に、「思ったよりきれたり傾斜も読みづらくて。ほんとなら、あと2つ3つは伸ばせたかな」と悔しがる。

「でもまあ、何日かしたら慣れるでしょ」と、やっぱりどこまでも、自信満々。
初めて足を踏み入れたというタイの酷暑もなんのその。
「ご飯がおいしくて、バッチグー」と、スタミナ切れの不安もなく、「海外の試合も好き。今まで回ったことのない選手とゴルフをするのは良い経験になるし、ワクワクしますね」。

それとは裏腹に、一抹の不安もあった。
つい最近は、東北福祉大の豪州合宿に参加するなど、自分なりに調整を積んできたという自負はあれど「やってきたことが正しかったのか。試合になれば、どうなのか」。
時に憎らしいほどに、怖い物知らずに見える若者も、ひそかにそんな思いを秘めてやってきた。

それを払拭するにも十分の、好発進。
「でも、これで満足してたらだめですよね」と、気を引き締める。「1日8アンダーとか、ビッグスコアも出るコースなので。それでなくとも毎日5(アンダー)とか安定して出さないと、勝てないコース」と初戦から、さっそく目標のツアー2勝目をにらんで、自らに鞭打った。

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