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アールズエバーラスティングKBCオーガスタ 2014

19歳! 稲森佑貴が2年連続の好発進

首位と1打差の2位タイにつけたこの日初日は「ぶっちゃけていうと、昨年のデジャブ」。昨年は単独首位で飛び出した初日と不思議と重なる手応えも、今年は首位発進こそ逃したが、昨年より1打少ない66に、自らの成長もひしひしと感じる好スタートとなった。

前半の5番でボギーが先行しても、「なぜか慌てることもなく、いつもより冷静にやれた」と、7番ですぐに取り返すと、圧巻は上がりの3連続バーディだ。

最後の18番は、手堅く刻んだ3打目をピンそばにつけるバーディ締め。前の17番では10メートルもの下りのフックをねじ込むなど、ベテランも手を焼くコウライグリーンも、まだ若いのに手慣れたものだ。
昨年も、既報どおりに練習コースにしている鹿児島県の南九州カントリークラブがやはり、手強いコウライで「冬は、かなり硬く速くて。どこよりも難しいグリーンになる」と、ここ最近は遠征続きで、コウライグリーンはしばらくご無沙汰していたといっても「体が勝手に記憶を蘇らせてくれる感じがする」とたくましく、一気にリーダーボードを駆け上がっても、「他の選手とくらべっこになった時点でゴルフはダメ。あくまでも僕はコースと戦っている」と、その信念も揺らぐことなく、落ち着き払って上がって来られたのは、この1年の一番の成果だ。

昨年は3日目が中止となり、短縮競技となった最終日は首位と2打差の4位で出ながら「こんなに良い位置で、やったことがなかった。自分としては“過緊張(かきんちょう)”」と、独特の表現で、当時の心境を振り返る。

「上っちゃって。口では言わなくても、体は正直で。狙ったところにひとつも打てなくて。歯車が1個も合わなかった」と、77を打って転落した。
あの反省を胸に、リベンジの夏。
「今年は1日1日、気持ちをリセットしてゼロからスタートする気持ちでいきたい。去年は肝心なときにパットが弱めのタッチになったり、今年はそういうのを克服して、いい位置にいても、強めに攻めていく」。
初日はよくても最終日のデジャブだけは、絶対に避けたい19歳の夏だ。

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