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日本オープンゴルフ選手権競技 2014
連覇を狙う小林正則
降雨によるコースコンディション不良のために、21年ぶりに翌月曜日に順延となった波乱の最終ラウンドで、最後に笑ったのは小林正則。
打ち破ったのは、3つ下の後輩、小田孔明。
3日目に、単独首位に立って「死ぬ気で勝つ」と言った孔明は、あまりのタイトル欲しさに、最終ラウンドを闘う前から涙を流した。
そんな後輩との一騎打ちに触発されて臨んだ真剣勝負は年下ながら、孔明は実力も実績も、自分より上と敬意を表してぶつかり、小林は栄光を掴んだ。
昨年大会を振り返って孔明は、笑いながら「泣くのは最後にします」と言った。
やはり最終日を前に単独首位に立ち、最終組で回った2007年には谷口徹に逆転負けを喫してからというのも、雪辱に心を燃やし続けてきた日本一の称号も、「入れ込み過ぎたらダメだと分かっている」。分かっていて、それでも焦がれずにはいられない。
2011年のダイヤモンドカップを制した開催コースで今年も孔明には、賞金ランク2位と絶好調のまま挑むリベンジだ。
そして、目下賞金1位の男も、焦がれ続けてやまない日本オープン。藤田寛之がタイトル獲りを視野に入れてからというもの、早10年あまりがたとうとしている。
2007年から4年連続のトップ10入りも、2010年に最高の2位に入ったあと、翌年には予選落ちをするなど、この3年はふるわない。
そして今季は3勝を挙げるなど、快進撃を続けながらも、オフに発症した肩の痛みはいまだ消えず、いつにもまして大きなことを言う心境ではないようだ。
「ここ数年は勝ちたい勝ちたいと、フェードを打ったり、道具を替えたりとかいろいろ準備をやってきましたけれど、今年はもう自然体で行こうと。いつも通りの感じでいくことにした」という藤田。
むやみに欲しがることをやめた藤田はついに栄冠をつかめるか。孔明は、今度こそ最終日に泣けるか。
今年は、海外のビッグネームも参戦する。昨年のマスターズ覇者。アダム・スコットも加わり、競われる日本一決定戦。強豪を相手にしてディフェディングチャンピオンが、また目下1位と2位の男らが、どう立ち向かうか。