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ブリヂストンオープン 2014
藤田寛之は賞金ランクは2位に後退して「もう、たんこぶじゃなくなった?」
「目の上のたんこぶが、余計なことをしやがってと思っているかもしれません」と、ますますニヤニヤと「性格悪いと思われたかもしれませんね」と、可笑しそうに笑った。
2年前の賞金レースは、谷口徹との舌戦も話題になったが、藤田はコースの外でのそういう駆け引きも秀逸だ。
そして最終日は、5打差の11位タイから後半は5つのバーディで、最後まで孔明を脅かした。
15番では、右4メートルのバーディでついに孔明を捉えると、16番で4メートルの絶好のチャンスを外したのは痛いがそのあと17番では1.5メートルのパーパットを拾い、最後も奥から2メートルのバーディパットを沈めて、容赦なくプレッシャーをかけ続けて「今日は賞金ランキング2位らしい、ゴルフができた。全力投球のゴルフができました」。
ここはひとまず、孔明に1位の座を譲って「もう、たんこぶじゃなくなったんですかね?」と、ここでもまたチクリと「これからまだまだ色々あると思いますので。また毎日話をしなくちゃいけないですね」と、可笑しそうに、舌戦もまだまだ続く。
自身も2度目の王座を狙う身としては「今度は追いかける立場になるので、気は楽になる」。
その分、孔明はまた追われる身として精神的にも厳しい立場に立たされることになるのだろうが、「そういうのを乗り越えて、賞金王というのがあるのでしょうし、自分たちだけじゃなく、またひと山もふた山もあるんでしょう」とは、一昨年の王者の貫禄。
「孔明が面白くしてくれた」と、この展開ものぞむところだ。「まだまだ試合は続くので、楽しみ。あと2、3試合になったところで、上位3、4人にチャンスがある状況になると思うので、自分も出来るだけ上位にいて、そこに入れるようにしておきたい」。根っからの勝負師の真骨頂はここからだ。