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つるやオープン 2014
片山晋呉が首位タイキープ
「吸収しようという気持ちが本当に強いんだな、って思う」。ツアーきっての教え上手はだからこそ、“教鞭”にもつい、熱がこもる。
14番は、ピンの右4メートルにつけたバンカー超えのロブショット。「あれは・・・・女の子にはちょっと出来ないけど。打つ前の気持ちとか」。懇切丁寧に教えてあげる。
「こんなに毎ショット、説明しながら試合することなんか今までにない」。プレーのリズムが崩れる? 「いいえ、新しい感覚です。『いま素振りの仕方を変えたでしょう?』とか、本当によく見ていて」。即座に質問が飛んでくる。
「だから僕も、雑には出来ない」と先生も“教壇”でつい気が引きしまる。
この日も晴天に、午後からグリーンはカチコチだ。洋芝のラフは例年以上にボサボサで、一筋縄ではいかないが、教え子のために、どれもこれもが渾身の1打。
4メートルのバーディチャンスを決めた16番のパー3。続くパー5は17番で、残り228ヤードの2打目を4番のユーティリティで、奥2メートルにつけた。イーグル奪取の次は、ピンの根元が見えない打ち上げの18番で、ピンそばのバーディを奪った。
満員の観衆の中で、もっとも盛大な拍手を送ったのがほかでもない、片山のキャディさんだった。
最後の9番ホールを上がって、クラブハウスに続く急坂で「彩恵、押して!」。山村さんが、片山のお尻を押してよいしょよいしょと坂道を上がる。そんな形のサポートぶりも、また微笑ましい。
「いや〜おもしろいよね。彩恵ちゃんはほんとおもしろい!」。
山村さんも「私もこのまま、明日にでも試合がしたい!」と先生のゴルフから、早速良いイメージを掴んで、それを早く実戦でも試してみたいとハシャいだ。揃って満喫しきりの2日間。首位タイで迎える3日目は、またいっそう楽しみだ。「僕は優勝争いは、もう何十回も、何百回も、やってますから」。先生はますます強気に、シンゴ学級はここからが本番だ。