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長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ 2014

松山英樹も「全力で頑張る」

この日3日目は、知る人ぞ知る“怪物対決”。同組で回った48歳の川岸良兼が、“怪物”と呼ばれたのも、ちょうど今の松山と同じころ。
アマチュア時代、負け知らずだった丸山茂樹でさえ畏れたのが、川岸だった。丸山が日体荏原高から、あえて日大に進んだのも川岸に憧れてのことだったと言われている。

そんな“昭和の怪物”でさえ“平成の怪物”にはひれ伏した。
松山をして「スイングで、あんなに捻転差のある選手は初めてみた」と、川岸。
「腰が水平のまま、肩がぐっと縦に入り込んでねじれていく。捻転が大きいから球がめくれあがって飛んでいく」。
羨ましい、と川岸は言った。
「俺と体型はほとんど変わらないのにね」と笑った。
「体が柔らかいからああいうことが、出来るんだね。良い球打つよ。大したもん。俺も、あれくらいの柔軟性があれば」と、うらやんだ。

“昭和の怪物”がそんな羨望の眼差しを送っているとも知らずに、平成の怪物は、憮然としたまま。無理もない。
この日もとうとうパープレーに終わって、「とうてい納得出来ない。納得できる部分はひとつもない」。
ショットも、パットも精彩を欠いたまま、解決策も見つからないまま「どうしたらいいのか分からない」。

忸怩たる思いのまま、ミスターの激励を受けた。痛めている左手首を取られ、「大丈夫なの」と労われて恐縮しきりで頷きながら、最終日を前に首位と8打差なら、ミスターの期待に応えようにも「そう簡単に逆転できるスコアではないですが・・・」。口を濁しながらも「全力で頑張る」と、松山も最後まで諦めない。

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