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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2015
ふすまで開眼!?片山晋呉が6アンダーの好発進
「出だしから、い〜いパットが入りました」と1番から3連続バーディのロケットスタートには実はある秘密があった。
前日水曜日のプロアマ戦終了後に自宅に戻った片山は、部屋のふすまを閉める際に、ふとその手の使い方に閃いた。「あれ?これパターのグリップにいいかも…」。すぐに鏡の前で確認。「右手を使い、左手はおしとやかに…」。
翌朝はスタート前の練習から早速とりいれてみると、これが見事にハマってこの日は出場30人中、ただ一人ボギーなしのラウンド。「いや〜、もうドキドキでしたよ」と、満面の笑みもこぼれ出た。
この日はお茶目なニット帽で登場したり、18番グリーンではコミカルな仕草でボールをマークしに行ったりと、今年最後の頂上決戦とあらば、ツアーきってのお祭り男もつい「何かしたくなっちゃう」と、サービス満点の18ホールだ。
過去5度の賞金王も42歳。すでに一時代を築いたベテランならなおさら、今から自分のスイングフォームを変えることには勇気が要るし、並大抵の努力では足りない。それでも、「自分は変えないほうが勇気がいる」と常にアンテナを張り、より良いものを取り込もうと、底なしの向上心はとどまるところを知らない。「体が小さく、恵まれていないこと」。それこそが原動力と、今も高みを睨み続ける。
2週前のダンロップフェニックスで史上2人目となる生涯獲得賞金20億円を突破して、区切りのツアー通算30勝まであと一つ。「今週、勝ってワールドランキングを上げる。50位以内に入ってマスターズに出る」。今季2勝目への渇望と共に、自身6年ぶりのオーガスタへ強い意欲をのぞかせた。