最後、３メートルのバーディチャンスは、外したのかとギャラリーをどきっとさせた。打つなり歩き出した岩田。３歩ほどカップに歩み寄ったところで、コロンと沈んだボールに歓声よりは、安堵のため息のほうが多く聞こえた。
拍手にも、ぺこりと頭を下げるだけで、優勝争いに加わってもあまり嬉しそうにはあがってこない。
「グリーンが読み切れないんです。３パットもありましたし」。12番の連続ボギーもそう。
ほかには９番でも「カラーから３パット」と首をかしげるなど、手応えのあるこの日の67ではなかったようだ。

「グリーンの速さが分からない。タッチも。いい感じで打って外れたり、ラッキーで入ったりする」。
８番ではバンカーからチップイン。「寄せようと思ったのが、入って」。なんだかんだで、首位と２打差の３位タイ。
「今日は朝の練習場ではひどかったけど、回ってみたら意外とスコアは良かった」と、最終日にむけて、それもなんだか煮え切らない理由のひとつ。
「明日も、朝起きてどうか。起きてみないと分からないですね。朝、練習してみて、それ次第で攻め方を決めようかな」。
ヒロシの寝覚めが良いといいが。

• 岩田 寛