Tournament article
〜全英への道〜 ミズノオープン 2015
“マスター横田”が首位タイに!
次は、博士課程の受験を目指しているが、ひとまずは2年間の研究生生活を終えて、久しぶりに“本業”に専念する今季。
6年ぶりのシード復活を期して、43歳のベテランは「試合のない週末は1日700発」という練習量以上に、体調管理にも余念がない。
修士課程の卒論にも書いた。
「プロゴルファーにおける自律神経とパフォーマンスの関係」は、何よりもまず身体の健康を保つことが先決であり、好スコアを出す布石はすでに朝の食事から始まっている。
副業も順調で、都内で経営するゴルフスクールは、月3回で14000円のレッスンも好評で、土日の講義はすでに満杯。今週のキャディも、横田の精神を受け継ぐ講師の一人であり、横田にも負けず劣らずの勉強熱心さで、この日も早朝から読みあさっていたのが、テニスの世界ランク1位のジョコビッチ選手の著書。
「彼も、朝ご飯は水と蜂蜜とフルーツしか食べないと言ってます」。
「やっぱりね・・・!!」。
自身も年々、歳とともに、朝食べ過ぎると身体がだるくなり「パフォーマンスが低下する」と、近頃はひしひしと感じていたからさっそく、この日は朝食を抜いて、ラウンド中ももっぱらゼリーやプロテイン。あと「チョコもいい!」。リラックス効果のある成分が含まれていると聞けば、すぐに試し「良いと聞いたものは、すべて取り入れている」と貪欲に、夏晴れが続く今週は特に「汗をかいたあとの一杯のビール」という究極の誘惑にもあらがい、優勝争いに加わった。
こちらもまた、研究課題のひとつである4スタンス理論がテーマのDVDも、今まで出版した本もどれもベストセラーで「2万部以上売れている」とは、ゴルフのレッスン書としては異例の売り上げを誇り、“副業”は順調そのもの。
“本業”ではツアー通算2勝というキャリアも、なかなかのものだが横田がひとつ、引っかかっているのが「4大メジャーと言われる大会に、一度も出たことがないこと。それは僕のゴルフ人生の汚点だと思っている」。
全英オープンの出場権がかかる今大会で、有資格者をのぞく上位4人に入れば、昨年はプロゴルファー59人のデータを取って、
修士課程の卒論を書いたというマスター横田の研究対象も、世界へと広がる?!
「そう甘くはないとは思いますが・・・」と言葉は控えめながらニヤニヤと、訪れた絶好のチャンスを逃す手はない。