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HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP 2015
ナイスカムバック! 藤本佳則が2位タイに
「終わったな、と思いました」と、ため息つくのも無理はない。スタートから立て続けに右の林に打ち込んで、1番でボギー。2番では、林からの脱出にも失敗して、バンカーから寄らず入らずのダブルボギー・・・。
「何でなんですかね。終わってるでしょ? 今日は長い1日になる」と、呆れ顔のビリケンスマイル。
出だしでこれだけ打ちのめされては「さすがに悪い流れを、良い流れに変えていくのは難しい」と、今までの経験も踏まえて自覚しながら、何でなんですかね?
「その後も、不思議と冷静な自分がいた」と、すぐ次の3番からの3連続バーディを奪って「早いところでチャラに出来たので。気が楽になりました」。
折り返して10番では、8メートルの長いバーディパットを沈めて、そこから連続バーディを奪った。
「捨てなかったのが、良かった」。
奇しくも昨年の今大会以来となる、今季初の最終日最終組は、大好きな先輩との直接対決になったことには少し複雑な表情で、「谷さんと回るとあんまり良くない。
相性が悪いんと違う?」と、言ってしまってから慌てて、「そんなん言ったら叱られるかな?」。
いやいや、先輩もそれは重々承知です。
「普段から、一緒に居すぎなんかもしれない。試合やのに、試合じゃなくなるから」と、戦う前から白旗ムードのビリケンさん。
「明日は、近くで谷さんの優勝を見届けますよ」と、それは先輩を立てているのでもなくて、けっこう本音。
「谷さんに負けても腹が立たないと、僕が言ってたと谷さんに言っといて。先輩はどうですかって聞いといて」と笑ったが、勝負の行方はふたを開けて見るまで分からないことは、藤本も谷原も知りすぎるほど知っている。