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HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP 2015

片山晋呉が「大波賞」

先週のマイナビABCチャンピオンシップから、数えてシーズン最終戦まで5試合は、すべて勝ち星を挙げているコースでの開催である。3回大会の今年から、会場を移した千葉県の総武カントリークラブは、やはりここで行われていた2002年のサントリーオープンで、連覇を達成している。

「ここも大好きなコース。目をつぶっていても、回れる」と豪語する庭で、しかし前日初日は、前半に躓いた。「ばたばたした」と、最初の9ホールで4オーバーを打って、苦笑いで見上げたスコアボードは、「85位とか。ビリから2番目くらいまで落ちたよ」。
そこから、2日目はトップ10に食い込んできた底力。「今週、一番の大波賞でしょう」と、胸を張る。

前夜、何気なくスーツケースを整理していて、面白いものを見つけた。ちょうど10年前につけていたゴルフ日記。「ノートに、そのときの気持ちとか書いてあって。若いなって」。ちょうど、海外メジャーに打ちのめされていた頃で、七転八倒しながらも、懸命に壁を打ち破ろうとする10年前の自分がそこにいた。

今では失われてしまった部分もあるし、今も失っちゃいけないと感じさせられる部分もあって、「昔の自分に元気をもらった」。今年42歳。「世間で言うと、初老でですよ」と笑いながらも、その年齢だからこそ、誇れるものもある。

「昨日だってあそこまで落としながら、こうしてまた上位に上がってこられる。安定してゴルフが出来ている。ありがたいですね、今日はノーボギーのゴルフも出来たし、もう十分。いいゴルフでした」と、首位と3打差は、十分すぎるほどに射程圏だ。

優勝賞金4000万円の今大会で、勝てば生涯獲得賞金で20億円に到達する。「お金の話をすると、いやらしいから今まで言わなかったけど。そこは常に考えてますよ」。得意の庭でニヤリと笑った。

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