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ダンロップ・スリクソン福島オープン 2015

松山英樹が「明日は、10アンダーを目指す」

子どもたちに向ける、怪物の視線は優しい
口べたな23歳を、72歳のレジェンドが代弁した。「10アンダーだと、自分のゴルフにちきしょうと思っているのだろうけれど」とは、青木功。ホールアウト後の中継局インタビューは、松山との一問一答。

「水曜日の朝に到着して、今が一番きついだろうけど、よく我慢している」(青木)。
確かにこの日の松山は、疲れていた。すでに朝の練習場から「ちょっとおかしくなっていた」。

まだ抜けきらない時差ボケと、むっとするこの日本の暑さ。「軽い熱中症になっていた」。氷で首や頭冷やしても、「今日はスタートからしんどくて。疲れなのか、ちぐはぐなゴルフ。ぼーっとしていた」。

なかなか集中するのも難しい状況の中で、懸命にバーディを重ねたが「8番のボギー以降はなかなか良いプレーをすることが出来なかった」。
それでもこの日は、約4500人余のギャラリーが駆けつけた中で「みなさんに、喜んでいただきたかった」。
ロープの外から飛び交う大声援。
「まつやませんしゅ、がんばって・・・!!」。
とりわけ小さな子の声援には、いちいちそちらに優しい視線を送り、体がつらい中でも出来うる限りの笑みを作って応える姿。

「福島でのプレーはやり応えがあるだろう?」と、青木。
「そうですね。海外ではこういう状況がないので、凄く楽しいです」。主戦場の米ツアーでは、松山一人がここまで応援を独り占めする状況は、なかなかない。

過密スケジュールを承知で帰国した今季初の日本ツアーは、とりわけ思い入れの深い東北、福島県で行われるホスト試合で久しぶりに大声援を受けて、「ぜひみなさんに喜んでもらいたい」。
気持ちが強い分だけ、ムービングデーの空回りが痛い。

「応援に見合うプレーが出来ていないのが残念です」と、そこの部分が松山には一番悔しい。。
「ヒデが、一生懸命にやっているのはみんなに伝わっているよ」と青木に励まされても、複雑な笑みを浮かべるばかりだった。最終日こそ、福島の人たちに喜んでもらいたい。
そのために、必要なスコア。
「明日は、63くらいで回ってくれば、なんとなかなるよな」と、青木。
「・・・もうちょっと必要かもしれないですね」と、松山。
「もっと? じゃあ・・・61か?!」。
「はい、それくらいは」と、怪物の胸算用は最低でも最終日の10アンダー。
松山の心意気を知った青木が、さらにその背中を押した。
「明日は、爆発して60くらい目指して頑張りなさい。それがおまえの使命だ。おまえには出来るよ、頑張って!」。
「はい!」と、素直にうなずいた。

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