アウトコースの最終組から出て、空が傾く最後の18番パー5で、ピン手前8メートルから惜しくもイーグル逃しのバーディ締め。
まだ日体大4年のスーパー新人、中島啓太が9バーディ、2ボギーの「63」を記録。
前日初日の29位タイから単独5位に急浮上した。
開幕前日の事前会見時と同様に、「打つ前は、まっすぐいくか不安な状態。ショットはけっしていい調子とはいえない」と、泣き言も出た。
しかし、アマで初出場した昨年に続く2年連続出場は、プロとして迎える米初戦。
9月の転向後も引き続き指導を受ける、アマ選抜のナショナルチームコーチのガレス氏に厳しく言われた。
「プロになったんだから。しっかりスコアをつくってこい」。
1番でボギーを先行させたが、恩師の言葉がエンジンになった。
505ヤードもある4番パー4で、4メートルを沈めて取り戻すとギアが入った。
次の5番で10メートルを決めるなど、6番までバーディを続けて3連続を奪った。
「気持ちが前に行ってしまうので、重心の位置がずれたりしないように、力まずアドレスできた」と、パットが好調。8番で、また10メートルを沈めて9番の連続バーディへとチャンスをつないだ。
後半も勢いを止めず、608ヤードもある14番のパー5ではグリーン奥の斜面地から7メートルのチップインバーディもあった。
ドライバーのティショットを右林に入れた15番ではこの日「最大のピンチ」もしのいだ。
ガードバンカーから1メートルを残したパットに動揺しながら「自分はPGAツアーのフィールドでプレーをしている」と、強い気持ちを抑止力とした。
「感覚的には集中力が増して、ショット前のルーティンにも取り組める感じ」と、渾身のパーセーブだ。
つい先月まで世界1位のアマ王者が、プロでの米初戦で首位と3差で大会を折り返すが、アマで出た今年1月の「ソニーオープンinハワイ」も2日目に5位につけながら、最後は41位に終わっている。
「同じ悔しい経験はしないように。PGAツアーにいるんだという自覚を持ちながら、最後までしっかりと攻めきりたい」と悔恨を、闘志に変えて週末へ。
「明日からさらにたくさんのギャラリーが来られると思うので、そういう雰囲気を楽しみながら、自分のベストを追い求めていきたいです」。
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