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アジアパシフィック ダイヤモンドカップゴルフ 2016

ベテランのホストプロ、藤田寛之が健闘を誓う

大会2勝目なら、ホストプロになってから大会初Vにもなる!
一度、頂点を極めた男の宿命か。「僕も頑張っているんですよ。頑張っているんですけどみなさん、許してはいただけない」。今シーズンは、ここまで関西オープンの8位が最高で、トップ10入りはその1度だけ。賞金ランクは34位。「でも、もう僕も47歳ですよ。47歳にしては、頑張っているんじゃないか、と。そう思うんですけれども、やっぱり許してはいただけない」と恨めしげに繰り返して、つい表情もせつなくなる。

「もっとやれるだろう」という、周囲の期待。ファンの声援。
「そういうお声にお尻を叩かれ頑張ってます。それがあるから頑張れる、ともいえる」。

幸い、シーズンも後半戦を迎えて体はどこも痛くない。それなのに、ベテランの努力がなかなか成績に結び付かないとなると、かえって切ない気持ちになってしまう。
シニア入りのカウントダウンも始まるこの時期に、同年代の誰もがかかえるジレンマと苦しみを、藤田も同様に感じている。

鬱々としたこの日々を、今週こそパッと発散させたい思いで一杯だ。
ポロシャツの襟には、マスターカードのロゴと、右の袖には真っ赤なダイヤモンドのマーク。
藤田が大会主催の三菱商事株式会社とサポート契約を結んだのは、大会2勝目を飾ってから2年目の昨年。ベテランのホストプロ2年生が、絞る思いで健闘を誓った。
「なんとか、大会を盛り上げていきたい」。
ホストプロになってからの大会3勝目で、主催者の恩にも応えたい気持ちで一杯だ。

今年40回目と、長い歴史を誇る今大会は、一昨年にアジアと日本ツアーの共同主管で再スタートを切るその前身から、全国各地の名門コースを転々とするサーキットトーナメントとして知られてきた。

今年の舞台となる大阪・茨木カンツリー倶楽部は大正12年に最初に旧コースの東コースが開場され、今回の会場となる西コースは昭和35年に、井上誠一氏が新たに手がけた。

藤田の所属コースである葛城ゴルフ倶楽部(静岡県)も同氏の手によることもあり、尊敬する名匠が手がけたコースは何より「挑戦意欲がかき立てられる」とまたひとつ、炎を燃やす燃料を見つけて開幕の時を待つホストプロだ。

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