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関西オープンゴルフ選手権競技 2016

高野詣でも済ませた! 川村昌弘が3位タイ浮上

ここ和歌山県の橋本カントリークラブはやたらと目につくOB杭も、かえって気持ちが落ち着くという。
父・昌之さんの手ほどきで、ゴルフを覚えた三重県四日市市のパブリックコースは「OBのないホールがなかった。全ホール左右がOBでした」と、慣れたもの。「このコースでフェアウェイに置けなければ、即OBだった」というホームコースを思い出し、狭いホールも低い球でコントロールを効かせて置きにいく。心得ているから今週の強行軍は、水曜日にインの9ホールしか練習ラウンドが出来なかっても、へっちゃらだ。

誰もが悲鳴を上げる高低差も「僕の中ではこれくらいは当たり前」。打ち上げの5番は、ピン位置が見えない115ヤードの3打目を、サンドウェッジで直接決めるイーグルだ。難条件も、むしろ「僕にはチャンスなのかもしれない」と、にらんでいた通りに2日目にして3位タイに浮上した。

今週は火曜日の夜に、帰国したばかりだ。先週は欧州と、アジアと南アフリカのサンシャインツアー共催の「アフラシアバンク・モーリシャスオープン」で、「台風みたいな風」の中で、12位に入った。

「日本で寝たい時間が、向こうではちょうど晩ご飯を食べてる時間。寝れなくて・・・」。つらい時差ボケも、世界を旅してもう3年目になる22歳にはもう慣れっこだ。アフリカのマダガスカル島の東に位置するモーリシャス共和国はドバイを経由して、関西空港まで丸1日。長旅からのぶっつけ本番でも、若さにまかせて疲れ知らずだ。

昌弘の「弘」は、ここ和歌山県に世界遺産の霊場を築いた平安初期の高僧から頂戴したという。奥の院口までコースからなら車で約1時間ほど。弘法大師・空海が拓いた聖地「高野山」には「やっぱり一度行っとかないと!」。専属キャディは歴史通。午前スタートの前日初日は、上がってからすぐ小岸秀行さんをガイド役に、歴史に名だたる人々の無数の供養塔が並ぶ山深い参道に分け入って「2ラウンド分くらい歩いた」。1日ただゴルフをして終わりではなく、訪れた土地をも味わい尽くして、見聞を広めるのがマー君スタイル。

旅の疲れは、これまた「小岸さんのナイスチョイス」でコースから、車でわずか5分の紀見峠の旅館で身も心も癒やす。「温泉にも浸かれますし、用意してくれるご飯も美味しい」と、先輩の矢野東らとほっこりと「部屋呑み」で毎日イイ気分。この日も、夕方5時前のホールアウトにそわそわと「6時半から晩ご飯なんです」。そそくさと、宿に帰って英気を養う。

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