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SMBCシンガポールオープン 2016
谷原秀人が2日越しの第2ラウンドを終えて通算7アンダー(大会3日目第2ラウンド)
「今日は朝5時起きです」。長い1日が始まった。「でもまあ、こんなもん。これがアジア」と平然と、この日は7時30分に8番グリーンに戻って再び淡々とプレーを始めた。
2003年に、やはりアジアとの共同主管で行われた「アジアジャパン沖縄オープン」でツアー2勝目を飾った。また2008年には、やはり共同主管のアジアパシフィック パナソニックオープン」でツアー8勝目を挙げるなど、たびたび手にした出場権で、アジアンツアーを回った経験もある。
「いや、暑いのは僕だって嫌いですよ。だけどマレーシアとか、ここよりもっと暑いところもありますからね」。どんな状況下に置かれても、微動だにしない不動心こそ谷原の強みである。
今週は、度重なる競技中断に、谷原の中にはすでにひとつ計算がある。連日の雷雨にこの日もどこかで必ず止まるだろうと踏んで、「今回は3日間になる可能性が高いだろう、と」。そうなるど、2日がかりのこの第2ラウンドが「とても大事になってくるだろうと思ったので」。首位とそう差を開けずに上がって来られたのも、もくろみどおりだ。
長い長いこの2日間は、ベテランと若手に挟まれて大いに刺激を受けてきた。
24歳の安秉勲 (アンビョンフン)は、世界ランク26位の新星だ。自分のプレーに頭にきてひとり、熱くなる場面などは、先輩として微笑ましい限りだが「パットが抜群に上手い。ミスというのがほとんどない」と、ひそかに舌を巻いて見ていた。
そしてもう一人は、日本ツアーでもお馴染みだ。タイの英雄には朝、すぐに「ハッピーバースデー」を伝えた。この日30日は50歳の誕生日を機に、日本とアメリカのシニアツアー参戦を表明しているマークセンは、「あと、日本とアジアのレギュラーにも出て、ますます忙しくなるんだね、と。凄いよね」と、37歳もまだまだ負けられない。
谷原がやっと第2ラウンドを終えたころもまだ、続く第3ラウンドのスタート予定時間のめどはついておらず、第1組でも早くて13時すぎだろう、と聞いて思案顔。「今からホテルに帰っても、また1,2時間して戻ってくるのも癪に障るし、悩みどころ。これから何しましょうかねぇ・・・。ちょっと考えます」。のほほんと、いったんコースを引き上げた。