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ダンロップ・スリクソン福島オープン 2018
岩田寛は迷いの中で・・・
初日に6アンダーを出しても「今の状態で、このスコアは良かったです」と言った表情にもなんとなく、覇気がない。
延々と続いているスイングの試行錯誤は「練習場でたまたま近くにいる人、誰に聞いてもだいたい、同じことを言われますけど、自分の感覚が合わない。原因が分からないから悩んでいる」。
先週まで2週間の空き週も、地元宮城で1日中、練習場に居座っても「イメージが出ない。煮詰まってしまう」と、やっぱり答えは見つからなかった。
「動きたい動きに体がならない。今やらなくてもいいかもしれないが、今やらないと何年か経ったときに、もっと差が開いてしまうから」と、募るのは危機感ばかりだ。
先週の全米オープンは、テレビでちらちらと見た。
「戻りたい、やりたい。でも、今のじゃ無理です」。
アメリカへの再挑戦の思いも募るばかりだ。
「しょうがないからなんとか頭を使ってやりました」という大会初日はそれでも振り返れば、6番で20センチ、18番では70センチのバーディを奪った。
そのほか13、14、16番のバーディは、いずれもピンまで1メートル。
「・・・ばっちり、ついてますよね」と、悩みの深さとは裏腹に、会心の66には思わずニヤニヤ。
ツアーでも、数少ない地元東北での試合は観衆の中に、二十数年来の知人など、懐かしい顔もちらほら見えるが「親しい人は、試合の時の僕がどんな感じか分かるので。だから来ない」と遠巻きに、そっと見守ってくれる人たちのためにも、復活の兆しは早めに欲しい。
「・・・練習、してきます」。
ヒロシの試行錯誤はまだまだ続く。