Tournament article
日本オープンゴルフ選手権競技 2019
11年後も1Wで攻める! 石川遼が狙う初タイトル
「メジャーの重みは、勝ってからわかってくるもの。日本プロでは自分に与えてくれた自信や、歴史の重みを感じた。ぜひ、日本オープンにも勝って重みを感じられるようになりたい」。タイトル獲りに、意欲を燃やす。
今年は、福岡県の古賀ゴルフ・クラブが舞台。前回も、ここで行われた08年大会は、石川はまだ高校2年生。
片山晋呉が1Wを持たずに、永久シードの25勝に到達したのに対してほとんどのホールでドライバーを握って攻めた石川は、4打差の3位に入った。
6817ヤードと、18ホールの長さはないが狭いフェアウェイに深いラフ、面積が小さいグリーンはうねり、スピードがある。
「6800ヤードの距離で、これだけ難しいコースというのは日本にはないんじゃないか。今年、自分がやってきたコースでは明らかに一番難しい」。
そばの海から吹き上げる風が加われば、今回もまた、難易度は相当だ。
「ドライバーを持つことは、それだけリスクを伴いますが、ドライバーのティショットが上手くいったときに、自分が取れるアドバンテージは魅力的」。
前回から、11年後に同一コースで迎えた今年も「半分はあるかな。ほかの選手よりは、ドライバーを持つんじゃないかな」と、やっぱり攻めの姿勢は失わない。
その分、グリーン周りの守りを固めてきた。
大会に向けて、よりバンカーの練習に力を入れてきたといい、「このコースはグリーンにキャリーして止まるというのはほとんどない。バンカーへの拒絶反応があると、コースが難しくなりすぎて、マネジメントも何も、まったくゴルフにならないが、今週に入ってバンカーショットが良くなってきた感覚がある」と、開幕前に攻防のバランスも整った。
予選ラウンドは、昨年覇者の稲森佑貴と先週、賞金ランキングで1位に抜かれた今平周吾と、注目のドロー。
今平は今年は選手副会長として、石川を支えてくれる頼もしい存在でもある。
「今年は海外の試合が増えたのに、ツアーのことも考えてたくさん試合に出てくれて、選手会長として頭が下がる思い。その中でこれだけの安定感を保ったまま来るのは脱帽。彼の見ているものが、ビンビンに伝わってくる」。
ひとつ年下の昨季の賞金王にも刺激を受けながら、自身初のビッグタイトルを目指して難コースを歩く。