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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2019
川村昌弘の、突如降ってわいた親孝行計画
日本ツアーは賞金レースや、シード権争いが佳境を迎えるいま時期をよそに、今大会は当初出場の予定ではなかった。
だが、主戦場の欧州ツアーで、来シーズンの開幕戦にあたる「ホンコンオープン」が、混乱の社会情勢をうけて、先の見えない”延期”。
急な行く先変更を余儀なくされた。
この4週は上海(WGC・HSBCチャンピオンズ)→トルコ(ターキッシュエアラインズオープン)→南アフリカ(ネドバンクゴルフチャレンジ)から帰国して、先週は宮崎・ダンロップフェニックスで10月の日本オープン以来、4試合目の国内戦。
同週開催の欧州開幕戦「アルフレッドダンヒルカップ」に出場をシフトする手もあったが開催国は、2週前に帰ってきたばかりの南アフリカ。
「南アから宮崎に戻ってきて、また南ア…というのもしんど過ぎて」。それならば、と今週の高知へ。
思えば、先週の宮崎も予定外ではあった。
同週、ドバイで行われたシーズン最終戦「DPワールド ツアー選手権」は、RACE TO DUBAIランキング(欧州ポイントランキング)50位までの出場資格。
その前週に、同56位に終わった川村には権利がなく、こちらも急な行く先変更。
「思わぬ形で日本ツアーが最後に。残念でしたが、もともと5連戦のつもりでしたし、今週は両親が見に来てくれて、嬉しそうなので。そういう意味ではよかった」。
この日3日目は、石川遼と実に5年ぶりの同組プレーでワクワクさせた。
「ヨーロッパでは、ギャラリーなんかつかないから」。
久しぶりに大勢のギャラリーに囲まれ「昨日まではプレー中も、親と喋ったり出来るくらいだったのに、今日は両親がどこにいるかわからなかった」と、華やかな組で石川との伸ばしあいを見せられたこともまた、家族の一興だ。
最後の18番では、ハラハラさせた。
「ドライバーが当たらなくて、てんやわんや」と、ティショットが「大ファール」。
右のラフに行ったが、浮いたライが幸か不幸か、2打目を今度は高く打ち上げる「ドテンプラ」と2オンには程遠くても、改めてピン3メートルに3オン1パットのバーディ締め。
「読みにくいラインでしたがキャディさんに読んでもらって、その通りに打ったら入った。これが明日につながることを期待します」。
世界各国を股に掛けた今季、22か国目の日本で、13年の「アジアパシフィック パナソニックオープン」以来の2勝目なら、留守がちな一人息子の今季最後の親孝行は、最高の形で完結する。