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日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2019
連覇の前に、ゴルフ伝道の旅。市原弘大が笠間市立第三小へ
ツアープロたちが交代で、全国の小学校に、ゴルフの楽しさ面白さを伝えて歩く旅。
開催週の3日月曜日に大会の地元・茨城県笠間市の岩間第三小学校に、スナッグゴルフを教えに来たのはいいが「僕はまだ、スナッグ経験3回目。僕のほうが、教えてもらいたいくらい。前回は、汗で滑ってクラブを飛ばして…」と、市原弘大。
今度こそ、そんな失態がないようにとポケットに滑り止めのゴルフグローブを忍ばせたりと、ちょっぴりモタモタと、それでもどうにかデモショットで快打を披露し、実技講習会が始まるとすぐに"異変"は起きた。
JGTOのスタッフが、用具の名前や握り方をひととおり説明したあと5、6年生約100人が、8組に分かれてめいめい球を打ち始めると、すかさず列の先頭に進み出て、同じクラスのお友達を教え始める子たちがいる。
おそろいのウェア姿はただものではない。
「教え方も上手で」と、市原も関心しきりだ。
同校もまた、連覇がかかっている。ここが昨年のスナッグゴルフ全国大会の優勝校で、彼らが今年のレギュラーメンバーであると聞けば市原にも納得がいった。
しかも先月行われたばかりの「笠間市長杯」ではすでに連覇を達成。
全国大会前にさらに自信をつけようと、今年はシード校であるにもかかわらず、今週は大会週の土曜日に、宍戸の東コースで行われる茨城地区予選にも参加して、そこでも連覇を狙うという。
小室司・スナッグゴルフ部コーチによると、先週の練習ラウンドではみな次々と、2ケタアンダーを連発したそうだ。
チームのエースの菅野雄太くん(5年)は、パー3ですべて"ホールインワン"を達成するなど自己ベストの17アンダーを記録して「順調に仕上がっています。みんなも調子が良いし、今のところは連覇ができそうな感じがします」と、自信に満ち溢れている。
「凄いですね」と、圧倒された。
「負けてられない」と、市原にも気合が入った。
先週月曜日に行われた全米オープンの最終予選でトップ通過を果たして初切符を得たのはいいが「歳ですね…」。
体の奥に残る"1日36ホール"の後遺症を自覚して、ちょっぴりお疲れモードも、子どもたちの熱意に打たれてシャキンと「僕も頑張って、今週ぜひ連覇を狙いたいと思います!」。
講習会で、互いの健闘を確かめ合った。
続いて「夢を持とう」と題した講演会では2歳でゴルフを始め、高校卒業後にすぐプロ転向した"早熟"な自らのゴルフ人生について語り、「プロになってからは苦労のほうが多くて今も苦労は尽きません。でも頑張って努力を重ねたら、あとから結果が出てくれることもある」。
昨年のこのメジャー戦で、プロ18年目の初Vを飾った歓喜を思い返しながら「みなさんも、これから苦労や大変な思いをすることもあると思いますが、ピンチのときこそチャンスと思って夢や目標をかなえてほしいです」。
プロの話を食い入るように聞いていた、スナッグゴルフ部のレギュラーメンバーのみんな。
最終日の日曜日には、今年もまたプロと手をつないでスタートティを歩く「キッズエスコート」で来場する予定だ。
「去年はプロの優勝までコースにはいられなかったけど、今年は最後まで残ってプロの連覇を見られたら」と、菅野くん。
「最終日最終組で、ぜひ再会したい」と、いつも笑顔の昨年覇者。。
子どもたちの夢を背負って市原が、今年も宍戸の森に立つ。