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長嶋茂雄INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2019
ビッグな二人三脚。丸山茂樹が”デビュー戦”
09年のゴルフ日本シリーズJTカップで節目の国内10勝を挙げて以降は度重なるケガに見舞われ、持病の左手親指痛もいまだ癒える気配はない。2016年を最後にレギュラーツアーはとんとご無沙汰だがそれでも人気者は、テレビ解説など副業に忙しくて「他の親御さんからみると、僕は息子の試合を見たりとか、交流を持つ機会はほとんどない」という。
大会主催のセガサミーホールディングス所属。自身はホストプロとして、なかなか期待に応えられないままだがその分、スポンサーは今年もまたこうして、息子に出場のチャンスを下さった。
この好機に「1回くらいは、(キャディを)やってあげたかった。コースマネジメントやゴルフの組み立て、試合に臨むメンタルとか。そういう部分で少しでもそばにいれれば息子も心強いのかな、と」。初挑戦に踏み切った。
自身は10歳からゴルフを始め、ジュニア時代から負け知らず。数々のアマタイトルをひっさげ、92年のプロ転向後もスター街道を歩いてきたが、今年9月の誕生日でいよいよ50歳。シニアデビューも間近に控える今、丸40年のゴルフ人生で培った経験と英知を”丸ジュニア”に惜しまず伝授するつもりだ。
「ゴルフは思い通りにいかないのが前提なのに、今の若い子は思い通りにいかないと打ち負けてしまうところがある。それをコンビネーションで助け合いながら、僕が経験してきたことを目の前で、息子にライブで伝えられたら」。
特に今年は4月に奬王さんが大学のトレーニング時に腰を痛めて、学生の試合日程の半分もこなせなかったという背景もあるだけに、なおさら募る親心だ。
かたや息子は世界にも誇れるトッププロの父を、かたわらに従えることになり「変なプレーはできない。すごく緊張する」と恐縮しながら昨年のこの大会では1打足りずに予選落ちを喫した悔しさもある。
「去年は恥ずかしいプレーをしてしまったのでいいプレーを見せたい」と、リベンジを期す奬王さんにとって最強のパートナーであるのは疑いようがない。
ただ一つ、懸念は新人キャディの”丸パパ”の体力。
18日の日曜日と前日20日の火曜日に、息子と一緒にコースを下見して歩いて「お父さんは、もう疲れたと言ってます」(奬王さん)。
学生が自身で担いでコースを回る際に使う軽量のセルフバッグでさえ「背負えません」と、言い張る丸パパは、このためにちゃっかり電動カートを購入して「体力温存」。
プレーヤー時にはなかったキャディとしてのプレッシャーも感じているようで、「歩測するだけでも大変。間違えるといけないし、集中力も使います。僕の初めての経験だし、いろんな計算を瞬時にしないといけなくて、プレーヤー時には自分でイメージができますけど、キャディだと、どんな風に伝えようか、と…」。
さすがのマルちゃんも、初体験にドキドキだ。
「出来れば、息子に4日間やらしてあげたい。僕がプレーで貢献できない分、こういう形で盛り上げられたらいい」。
今年はキャディとして、ホスト試合での貢献を誓ったマルちゃん。
今年15回目の記念大会は、ビックでレアな二人三脚にも注目が集まる。