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SMBCシンガポールオープン 2019

第3ラウンドは、全員完走……!!

初日から、中断と再開を繰り返して毎日、競技を翌日に持ち越し、この日は朝から第2ラウンドの残りを消化し、第3ラウンドは、ようやく正午すぎからスタート出来たが優勝争いの選手たちは、みな終盤ホールで自然と早足になった。

日没がすぐそこに迫っていた。薄闇に追われながら、どうにか回りきった。
最終ホールはもう、ほとんど暗闇だった。
視界不良の単独首位キープも、「今日の目標は、完走でした」と、藤本佳則。
「終われてよかった。サスペ(ンデッド)にならなくて、めちゃくちゃよかった」と、まずは無事のホールアウトを喜んだ。

タフな条件の中でもピンチはバンカーに入れた5番だけ。「ナイスセーブができた」。
7番ではユーティリティを持った270ヤードの2打目が「完璧だった」と、イーグルを奪った。
「自分に期待してないのが半分、世界の選手とのプレーが楽しみなのが半分。楽しくラウンドできた」と長丁場の疲れも見せずに、ノンプレッシャーの66を出した。

辺りは見えづらくても、いよいよ迎える最終日のためにも同組のプレーを焼き付けた。
第3ラウンドで回ったケーシー。世界ランク24位のゴルフから「何か盗もうと思って見ていたのが良かった。いろいろ盗めた」とちゃっかりと、暗闇の中でも6年ぶりに勝つための秘策も仕入れた。
2013年に「トーシンゴルフトーナメント」でツアー2勝目をあげたがその後、勝ち星は足踏みしたまま。
「何かが足りないから勝てないのであって、この試合でこの位置で、勝負できているのがいい経験」。
このまま、3勝目につなげたいのはやまやま。

この「SMBCシンガポールオープン」が、三井住友銀行を特別協賛に迎えて、日亜共同主管のトーナメントとして始まったのは、4年前からだが大会は、今年で53回の長い歴史と伝統を持ち、日本勢の優勝は1976年を制した内田袈裟彦(うちだけさひこ)氏ひとりだけ。

最終日は、日本ツアーの悲願もかかるが結婚5年目の二児のパパには、家族に土産を持ち帰ることが何よりのモチベーションだ。
調整不足を気にして出場を迷う夫の背中を押してくれた、祐未夫人。
「子どもたちも応援してくれているので。応えなきゃなと思う」。
頑張れ、ビリケン・パパ……!!

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