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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2020
ボディービルダーに覚醒。岩田寛は前向き
541ヤードの6番パー5では、210ヤードから、5Iで2メートルにつけるイーグルも飛び出した。
日差しが戻った2日目に、コロナ禍のシーズン最終戦で、5年ぶりのツアー通算3勝目をにらめる位置に持ってきた。
試合が次々と中止に追い込まれた今年。有り余るほどの時間で「体のことを前より気にするようになった」という岩田は、自宅でのおひとり様トレーニングでまず器具を購入。
対面指導を受けられないかわりに参考にしたのは、ボディービルダーのジュラシック木澤さん。
「YouTubeのおススメによく出てくる人で。すごいんですよ、命削ってるんです」と、興味をひかれたヒロシは、動画を見よう見まねでまずカタチから入ってみる。
「ビルダー飲みってあるんですけど、プロテインをそのまま飲む」と、あお向けの口に、粉袋を直接投入。
ムセた。
「咳が止まらなくなった。この時期はまずい」と、感染の誤解を避けるため、それはとりやめ。
でも、「その人が着ているパジャマがあるんですけど、アマゾンで買いました」と、それは愛用している。
「同じようなトレーニングをするわけじゃないんですけど、その姿勢が好きなんで見てました」。
ストイックに向き合う姿が、意識改革には役立った。
無観客試合では、なおさら岩田のガッツポーズは希少となった。一見、脱力系の選手がコロナ禍で目指したムキムキの精神。
「最終日に優勝争いしたい」。
憧れのボディービルダーが、いつもショットに悩んでばかりのヒロシを、少し前向きにさせたのは確かだ。