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三井住友VISA太平洋マスターズ 2021

木下稜介「去年3度見したボード」今年こそ頂上獲るぞ

去年の悔しさ。思い出させてくれるなあ…


昨年の最終日は「3度見した」。

因縁のスコアボードが開幕前日のプロアマ戦限定で、再現されていた。

 

「去年は18番のサードを打ち終わって、スコアボードを見てえーってなった」。

劇的イーグル締めの香妻陣一朗に、1差で逆転されていた。

 

自分も長いバーディトライをなんとか決めればプレーオフだったが外して無念の2位。

 

「去年は終わって、メディアの方々に、すぐお話できなかったくらい。泣きました、悔しくて…」。

 

思い出しても身もだえする。

惜敗の舞台に木下稜介が、今年は賞金1位で戻った。

 

「去年の悔しさがなかったら、いま賞金1位でここにいない」と断言する。

 

「負けて、本当に悔しくて。今度は絶対勝ってやるぞ、とオフの練習もトレーニングも頑張って」。

奥嶋コーチと、「あまりに変えすぎた」と、一時は80台も切れないくらいに変更したスイング改造に踏み切ったのも、今大会での敗退がきっかけ。

 

「去年は自分にとって初めての優勝争いで、何かが足りない。グリップから、何からすべて変えて。『こんなんどうするの?』って最初は文句ばっかり言ってたけどコーチを信じてやり抜いた」。

 

昨年のV争いは「たまたま感」があったというが、「今年は去年より、自信を持って臨んだ」と初優勝をメジャーで飾った6月の「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」に続いて7月の「ダンロップ・スリクソン福島オープン」で連勝。

 

一気に2勝を飾って戻ってくることができた。

「去年のこの大会での悔しさが、僕を成長させてくれました」。

 

賞金王は、シーズン念頭から言い続けてきた目標だ。

そのために、今年は米二部ツアーの予選会の受験を来季に持ち越した。

「賞金王を獲る方に絞ったので。絶対獲りたい」。

まずは富士の裾野で頂上獲り。

昨年、ここで取り逃がした大会初制覇で夢にまた、一歩大きく近づく。

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