2年ぶりの有観客開催で、48歳が生き生きとプレー。
初日は最大瞬間風速16メートルの強風が吹いた。
片山晋呉が2アンダーで終えて「僕の中では最高です」と、頷いた。
前半、池越えの18番パー5では度肝を抜いた。
「100ヤードも置いてかれたんです、2人に」と、同組の片岡尚之と、アマの杉原大河さんとの飛距離差を嘆いた。
「僕なんか200ヤードから、まだ2歩手前。今はこんなんなんですね」と、若い力に改めて目を剥いた。
「彼らはウェッジよ、ウェッジ」と、絶叫しながら自身は残り210ヤードから、4番のハイブリッドでみごと2オン成功。
段の下から17メートルのイーグルパットも沈めた。
にこやかに手を振るベテランに、惜しみない拍手が贈られた。
大会4勝を誇る先週の「マイナビABCチャンピオンシップ」では、4位に入った。
「ほんと若い子は飛ぶんでね。大変です」と昨今のパワーゲームに嘆息しながら「ここでは勝っているんでね」と、今週も08年と15年の歴代覇者の矜持がのぞく。
ツアー通算32勝の永久カードを持ちながら、現在ランク33位で賞金シードもがっちり確保。
「自分に合っているところに絞ってプレーしている」と、昨年の今大会も10位タイだった。
若いころから、ここぞで照準を合わせてくるのが抜群にうまかった。
「おかげさまで、このコースは本当に好きですし、難しいコンディションなら僕は有利と思って今日もその通りにできたので。アンダーパーなら最高です」と、破顔一笑。
2日目以降も風が吹く予報と聞くと「いいですねえ…」と、さらに笑みを深めて「みなさん飛ぶんでね。僕には難しいほうがいいんです」と2日目も、若い2人の後ろから、しぶとくチャンスを奪う算段。
「最近は、自分にできないことはやらない。僕らしくできることをやって楽しく。あと3日間もいければいい」。
得意コースでさっそく目を光らせた。