今季デビューの24歳が、首位と1差の通算9アンダーで、V争いに加わった。
古川は「雄大」と書いて「ゆうき」と読むが、最終ホールのバーディ締めは「勇気」というより大会初出場の若さゆえ。
14番から、前の17番まで4つ続けて惜しいチャンスを外し続けて「最後は絶対バーディ欲しい」と、欲の虜で入った18番パー5。
ティショットを右のバンカーに入れた。
脱出の2打目で、4番のユーティリティを握って怖さ知らずの2オンを狙った。
その瞬間この晩、夕食の約束をしていた同組の谷口徹の心中は「今日は反省会や」。
少しでも狂えば目の前の木。または、バンカーの土手を直撃する。
あとから「あそこで、狙ったらあかん」と、諭した。
だが、みごと2オン2パットの結果オーライには「言うことなくなった。反省会はできなくなった」と、苦笑していた。
普段から谷口や、同じ福岡出身の手嶋多一らと一緒に練習ラウンドする。
「技術的なことだったり、マネージメントのことだったり、すごく指導していただける。谷口さんも手嶋さんも、ゴルフ界のお父さんみたいな感じ。今日も暖かく見守ってくれた」。
自分の父親と、そう年齢の変わらない先輩たちから可愛がられて24歳がスクスクと成長中。
松林に区切られた難コースは、大学4年時の「九州アマ」の舞台だったといい、「地の利もある」と、テレビ会見で堂々と言いながら、あとから囲み取材の振り返りで「ホールが思い出せない…」と、逡巡する天然素材。
後半の13番で確認した速報ボードで「片岡尚之」の名前を見つけて「あいつ、やるな!」とがぜん、発奮。
「同級生なんです。練習ラウンドも頻繁にしていて。こいつだけには負けたくない」。
3日目の最終組で片岡との同級生対決を実現させて「優勝したい」と、いっそう気合が入った。