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~全英への道~ミズノオープン 2022

手嶋多一とセントアンドリュースの思い出

手嶋多一(てしま・たいち)は開幕前に、気がかりなニュースを聞いた。

 

今季初シードの古川雄大(ふるかわ・ゆうき)が、開幕前日のプロアマ戦時に左足をねんざ。

きゅうきょ病院にかかったという。

 

後半ハーフ時に、ロッカールームにコースメモを置いてきて、急いで取りに戻った際のアクシデントだったそうで、「大丈夫なんか・・・?!」と、手嶋もものすごく心配していた。

 

2018年に22年守ったシード権を手放して以降は、レギュラーツアーの出場権を取るのもやっとの年が続くが、九州の怪童と呼ばれた頃からミズノのクラブで戦い、2015年には大会22年ぶりのホストVを達成。

 

28回連続大会出場記録を保持するなど功労者の一人で、今も存在感は絶大だ。

 

「僕なんか全然全然、なんの力もないですよ」と謙遜するが、前・選手会長の時松隆光は手嶋の仲介があって、一昨年からミズノと総合契約を結び、古川も手嶋の仲立ちを経て、今年からホストプロとして活動する。

 

「なんとか、試合に出られるとええけどなあ・・・」と、手負いの若手を気遣い、「みんな頑張ってくれている。今週は『全英オープン』の出場権もかかるので(大会の上位4人)。ぜひ誰かに行って欲しい」と、ひとごとみたいに笑い、「いやいや、僕は全英“ シニア”オープンに・・・」。

いつものジョークではぐらかしたが「全英オープン」は、過去3回出場。

中でも、2015年のセントアンドリュースは手嶋にとっても格別な思い出だ。

 

「ロイヤルリザム(2001年)とミュアフィールド(2002年)も素晴らしいコースでしたけど、センドアンドリュースはまた雰囲気が全然違って。夢見心地でした」と、震えた。

リンクスコースの洗礼を浴びて、予選通過はできなかったが名物の橋では忘れずに記念撮影もして帰った。


今年、150回目の記念大会は、6大会ぶりに“聖地”に戻る。

「僕はもう十分ですよ」と、笑うが「出られる試合があるならどこへでも」と、本音もこぼれた。

53歳の秘める思いは誰より強い。




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