飛ばし屋の河本力(かわもと・りき)と入れ替わり、1差の単独首位に立ったが、日本一曲げない男の表情は、冴えなかった。
「風のジャッジが決まり切らない状態で打ってしまうことが多くて。きょうは右にミスったり、左につかまったり、ターゲットに向かって打てなかった」と初日から、2日間とも2度にとどめたティショットのフェアウェイ外しがこの日は5回も。
稲森佑貴(いなもり・ゆうき)が、珍しく悔恨だ。
「曲がっても、きょうはたまたまバンカーに入ってくれたからよかったけど17番も、ラフならあんなところで止まっていない」と、せっかく命拾いをしたのに4メートルのバーディチャンスが決まらず、最後18番も下りのラインとはいえ同じくらいの距離を逃してパー5のパーフィニッシュ。
「それでもトップに立てたのは、良かったですけど、もう2つ3つは獲れたと思うと正直悔しいラウンドになりました」と、反省ばかりが口につく。
「明日は、結果的に5つ6つ取れたらいいと思うが、8とか出してくる選手もいると思うので、簡単に逆転される」と、気が置けない。
「まだまだ10アンダーの人たちとかにもチャンスがある」と、最終日も大混戦の接戦を覚悟するが「とにかく自分は、初日から変わらずのプレーでいくしかない」。
3日目の最終組で、11時46分からコースに出て、プレーを終えたのは、もう16時半すぎ。
日没時間に合わせて17時の練習場クローズまでもうわずか。
「きょうは右のほうにふけていたので、無理やり捕まえにいく練習を」。
短い時間で効率よく。6年連続フェアウェイキープ1位が急いで曲げないショットを立て直す。