スタートで3打のリードは、さらに前半9ホールの1イーグル、3バーディで一時は6打差つけた。
だが、「順調に行き過ぎている。セーフティに行こう。余裕をかました」と、守りに入った途端に後半9ホールで3ボギー。
13番では第1打が左隣の14番ラフまで飛んだ。
「自分で難しくしてしまった」と、終盤は久常やケネディらにゾロゾロ並ばれ大混戦を招いた。
17番で再び1差で抜け出せたが「プレーオフではメンタルや集中力がやばい」と、最後1.5メートルのパーパットは全力で、呼吸を整え全集中。
「今日ずっと外していたフックライン。カップを見ないで頭を残して打ちました」。
辛くも逃げ切り完全Vをやり遂げた。
「神社にも属性があると聞いて。自分に相性の良いところを調べてよく行く」と、今週初日にお参りしたのは人気アニメ「鬼滅の刃」の聖地といわれる福岡県太宰府市の宝満宮竈門神社(ほうまんぐうかまどじんじゃ)。
「ご利益がありました」と、感謝した。
今年の初詣で行った埼玉県の八幡宮からは「勝負運に強い神社ですのでご利益があります。頑張ってください」と、直々にSNSメッセージをもらっていた。
この日、同組で回った時松隆光(ときまつ・りゅうこう)と大西魁斗(おおにし・かいと)は、奇遇にも昨年、5打差の大逆転で初優勝した「ISPS HANDA ガツーンと飛ばせ ツアートーナメント」でも同伴。
組み合わせが決まった前日3日目に「何かある」と、吉兆を予感していた。
頭から浴びた冷たい祝福はとりわけ、先週のJGTOタイトル戦を制した比嘉一貴(ひが・かずき)から受けた水シャワーが感慨深い。
小学時代から、同じ九州で知る存在。
「そのころからカズキは全国でトップで、プロでも4勝して良い目標であり、良いライバル。早く並びたい」と、びしょ濡れの体で抱きついた。
表彰式では麻生太郎氏の隣で記念撮影に収まり「テレビで見た人だ…」と、ど緊張。今年の新規試合で稀有な体験もできた。
「今年の目標は、メジャー優勝と賞金王。来年の大会で、ディフェンディングチャンピオンとして帰って来るときにはもっと強い選手になって戻ってこれたらいい」。
今度はお礼参りで世にも不思議な連覇を呼び込む。
<最終日記事>