「調子が良い時は波が少なく、一喜一憂しない」と、スタートから全集中。
「その場その場で没頭したので、今日の景色が出てこない…」と、プレー後に懸命に思い返して、「スコアもパット数(25)も自己ベストです。…スゴっ」と、思わず自画自賛した。
本格参戦初年度の昨季、20―21年の賞金ランキングで30位に入り、初シード入りを果たした。上位選手しか出られないシーズン最終戦にも滑り込んだが、「ショットの好調をパットが引っ張っている」と、今オフの課題を痛感。
試行錯誤で向上につとめてきた。
東海大学九州時代から親交があるという女子プロの大里桃子さんにもヒントを得て、今週からパターの握りを「その場のイメージで臨機応変に」と、従来の順手に加えて、逆手で持つクロスハンドもラウンド時に交互に取り入れ奏功。
インスタートの14番からどれも3メートル前後のチャンスを逃さず5連続バーディを記録した。
同じ福岡出身のベテラン、手嶋多一にもかわいがられて、今季からミズノ社とアイアンの使用契約。
「去年までフリーでしたが手嶋さんに推していただきました」と、ショットの精度もますます向上。
今季のフル参戦に備えて、全国どこでも施設が使えるフィットネスチェーンに入会し、毎月曜日のトレーニングも新シーズンのスケジュールに組み込んだ。
「去年もパットさえ良ければ優勝する自信がありました。今年はパットのレベルを上げて必ずどこかで優勝したい」と、キリリと話す一方で、ときどき周囲をきょとんとさせるコメントを、真顔で挟む。
この日の囲み取材でもとんちんかんな答えで「すみません、天然なもんで…」と、恐縮しきりだった。
おおらかに、雄大に。ゆうきが目標の初Vをさっそくにらんだ。