プロ16年目の永野竜太郎(ながの・りゅうたろう)が、18ホール自己ベストタイの「63」で初日を回り、9アンダーで午前の単独首位発進した。
インスタートの11番で、87ヤードの2打目をピン80センチの根元につけると、とんとん拍子だ。
2連続の12番は10メートル以上がカップに沈み、16番の3連続バーディは、「下の段から2パットでいいや、という、15メートルが入った。おまけです」と、入りまくりの前半のパット数は13。
後半も勢いは止まず、トータルでも28パット。
「たまたま入ってくれたけど、入ってなければ3、4アンダーくらい」と、平静だったが、「ティショットが安定していて、しかも距離が落ちていない」と、関西特有のコースで、得意分野のアドバンテージもしっかり活かしてさっそく勢いづいた。
先週の「ANAオープン」火曜日に、ぎっくり腰を発症。
開幕ぎりぎりまでツアー帯同の成瀬克弘トレーナーの力も借りて出場を目指したが、大事を取って直前で出場を取りやめた。
帰って改めて治療につとめて「ショットに関してはまだ怖いですけど、もともと腰痛は持っていますしつきあいながらやっています」と、さっそく初日に無事をアピールできた。
「2年前のことは、全然覚えていなかった。今週火曜日くらいに、2位やん?みたいな」と、本人はそれほどではなくても、一昨年の本大会で、まだアマの中島啓太(なかじま・けいた)にプレーオフで破れて初優勝を逃したシーンは、ファンの心に今も残る。
「あのときはただ、@がついていただけで、ゴルフに対する彼の取り組みや、向き合い方はすでにプロでしたから。その後も継続して今年も2勝しているし、(昨年優勝の)蟬川選手もそう。この大会をきっかけにブレークしている」と、リスペクトする。
「でも、何だろうな・・・。刺激はもらっていますよ」と奥で燃えるものも。
今季ここまで13試合でトップ10が4回。
日本勢最高の20位タイの成績を持って帰った6月の全米オープン以降は特に顕著に、8月の「Sansan KBCオーガスタ」では1差の2位で初Vに迫っている。
「デビューしたての頃はがっついていたかもしれませんが、そのがっつきも優勝とかではなく、スコアを出したい方のでした」と、35歳の今も変わらずひたむきに、ボールを追う。