2015年に続く大会2勝目を達成した昨年は、母校・仙台育英高校野球部の夏の甲子園初制覇と重なり、感動は2倍に。
今年は、日程が2か月ほど早まったが「年間2勝はしたことないし、連覇もしたことがない。できたら幸せですよね」と、再度の歓喜を夢見る。
そして、44歳の谷原秀人(たにはら・ひでと)は今週、自身3度目の2週連続優勝に挑む。
最初の偉業は2007年。
フジサンケイクラシックとサントリーオープンで続けて勝った。
2度目の2016年は、まさに本大会から翌週の日本プロへと快挙をつないだ。
「考えてできることではないですが、調子は悪くない。あとは今の子がどれだけ伸ばしてくるか。そこにどれだけ食いついていけるか。何年も出させてもらってグリーンは全部わかる。そういう部分でアドバンテージが出せればいい」と、抱負を語る。
東北福祉大の先輩・後輩だ。
谷原が、22歳の長野泰雅(ながの・たいが)をプレーオフで下した先週の「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」は、初日が雨で中断に。
午前ですでにプレーを終えていた岩田がコースを出るときに、ちょうど谷原が途中でいったんクラブハウスに戻ってきて「もう雨で飛ばないしおじさんにはキツイ」と、ぼやいていたそうだ。
「それで優勝したじゃないですか。ハイハイって思いました」と、岩田はニヤニヤしながら回想する。
「谷原さんはやる気がなさそうなのに、いつも練習しているし、いつもうまくなろうとしているところが凄い」との岩田の物言いに、「やる気がないってなんだ。それはおまえじゃないか!」と当の谷原は憤慨していたが、谷原の底抜けの向上心への岩田なりの賞賛だ。
「僕はふてくされて練習しなくなったりするけど、谷原さんはそういうのがない。そこが凄い」という岩田は先週、ついに谷原が首位獲りしたときも、「谷原さんが優勝する」という勘がしたという。
今週も「疲れています。常に疲れています」と、早々に疲労をアピールしている谷原。
予選ラウンドは、6週連続のV争いがかかる中島啓太(なかじま・けいた)と同組となり「多分、初めて一緒。中島選手は、去年あまり成績が振るわなかったですけど、今年はすごいですから。なにがどう違うんだろう」と、興味深々だ。
「昨日、練習場で見ていたら、良い球打つし、まっすぐしか行かないし。若い子たちはいいねって」と、羨みながらもどこか楽しげ。
「時代が変わってきているのもわかるし5年経ったらどうなるんだろうと。どんどん入れ替わって、ぽんぽん良い子が出てくる。今から楽しみしかない」。
確か先週も、そんな風に若い子たちの活躍にワクワクしながら自分が勝っていた。
42歳の岩田と44歳の谷原。
なんだかんだでどっちもすごい。