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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2023

バチバチはまだ続く。中島と金谷が初日のワン・ツーを独占

賞金レースを終えても、まだバチバチしている。
本大会の慣例により、賞金順に組まれた初日の最終組で、賞金王の中島啓太(なかじま・けいた)と、賞金2位の金谷拓実(かなや・たくみ)が1位と2位で今季の最終戦をスタートさせた。



先に口火を切ったのは金谷だ。
1番で約2メートルのバーディで飛び出したが、すぐ中島が3番のパー4で、114ヤードの2打目を56°でチップイン。

左のラフに行ったと思ったティショットが、行ってみればフェアウェイまで戻ってきており、おそらく木に当たって出てくるラッキーなアシストもあり、奇跡的なイーグルで対抗。


その後、金谷が5番、7番でバーディを奪い、中島は6番から連続バーディを記録し、中島が1打リードで後半に入ったものの、どちらもボギーを叩かず互角の戦い。

だが17番パー5では一瞬、中島がお茶目な隙を見せた。


「練習ラウンドでも当てている、警戒していた」と言うにもかかわらず、やっぱり木にぶつけたティショットは、フェアウェイにも届かず、思わず口に手を充て照れ笑いを隠す場面も。

「2打目は、100ヤードのマークまで、270ヤードだったので、370ヤード。ティショットは140ヤードくらいしか飛んでいない計算」と、恥ずかしさをこらえて、ユーティリティでグリーン近くまで運んで、94ヤードを4メートルのチャンスにつけて、ピンチからでもしっかりバーディ。

最後18番も、手前のラフと花道の間に外したが、寄せてパーセーブ。
突き入らせず、金谷との1差を守り抜いて上がった。


先週の「カシオワールドオープン」で賞金王を確定させたが、「いや、関係ないですね。金谷さんと一緒に戦えるのは一番楽しいですし、あと3日で終わってしまうのは寂しい」と、中島。


16番から連続バーディなど、後半も中島について離れず、3つ伸ばした金谷も、「中島選手が完璧なゴルフをしましたが、僕もノーボギーで回れて伸ばせたので、明日も同組になりましたけど、しっかり2人で伸ばし合えたら」。


3度の最終日最終組を含めて今年の直接対決は、この日で10回目。

それでもまだ飽きず、成績順に組まれる2日目もまた最終組でV争いだ。

「明日も一緒に回れる。あと3日もずっと優勝争いを一緒にできるように」と、中島は嬉しそう。


金谷は賞金レース後、「もちろん一生懸命プレーしますけど、前みたいな過度なプレッシャーがかかることはない。そこまで、熱くなれていないのかな」と正直、目標も見失いがちだが、金谷にとっては、コロナ禍による無観客試合の2021年以来、2年ぶり3度目の頂上決戦である。

「前回まで制限付きでの開催だったので、こうやってたくさんの方に今日も足を運んでもらえて、歓声だったり、僕たち選手のパフォーマンスも上がる。今日も気持ち良くプレー出来たと思うし、残り3日間もしっかり良いプレーが届けられるように、頑張りたい」と、奮い立たせる。

「先週で肩の荷は下りたので、前よりも落ち着いてプレーができる。今年の集大成なので、残り3日もしっかり自分らしいプレーをして、優勝目指して頑張りたい」(金谷)。


中島は、初日の大会カラーの緑のパンツにやる気と、好敵手の先輩への改めての感謝の気持ちを込めた。

「優勝の意志を見せて闘うことが金谷さんへの恩返しにもなる。そういう気持ちを忘れず闘い抜きたい」。
レースが過ぎても、バチバチはまだ続く。

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