「気付いたらティショットが全部フェアウェイでした。ゴルフ人生で初めてですね」と言ったが、それはヒロシの勘違い。
今年8月の「横浜ミナト Championship ~Fujiki Centennial~」の第2ラウンドでもフェアウェイ100%だったが、このところは元気もなく、10試合ぶりの1桁順位発進にそう感じるのもムリはない。
4年連続8回目の出場を果たした本大会でトップ10は5度あるが、最終日最終組で挑んで3位に終わった2007年は「61」を出したジョーンズに2打差で負け、最終日最終組で回った2020年は、チャン・キムに1差の2位で破れ、昨年は大学先輩の谷原と争い、また1差2位。
「つらい思い出しかない。1回も勝っていないので」と、積年の悔しさがある。
「しばらくしていないんで。また優勝争いしたいな」と、ぽつりとつぶやく。
今年は5月の「中日クラウンズ」で通算5勝目を飾り、その後2試合で賞金1位を走ったこともあったが「ほとんど見ないので、いま言われるまで知りませんでした」と、きょとんとした。
今年の出場者の平均年齢は29.9歳。
40代は、ケネディと、パグンサンと谷原と岩田の4人。
また今年の勝者としては、パグンサンと谷原と、岩田の3人だけ。
「若い子出てきたな、と思いますけど基本、自分のことしか考えていないんで。あの子いい球打つな、とか。上手いなとかそういうのはありますけどだからこうしよう、というのはない」と、マイペースを貫くヒロシがちょっと気色ばんだのが、若き賞金王の所業だ。
散髪が得意で、バリカンとハサミを駆使して自分の髪を切り始めてもう8年ほど。
時々、プロ仲間の髪も手がける器用者が、宿泊先で腕をふるったのが9月、韓国開催の「Shinhan Donghae Open」だ。
お客さんは中島啓太。
「ケイタは毛量が多くてすぐ伸びるので、お願いしますって言われて。切って。それから(ダンロップ)フェニックスでもお願いしますって言われたんですけど、勝手に切ってて。今回はお願いします、って言われていたんですけど、また昨日切っていて。なんか、都合の良いヤツみたいな扱いされています」。
約束していたのに、結局2度も破って、勝手に美容院に行ってしまった中島にぷんぷん。
「今朝お風呂場で岩田さんに会って、昨日切っちゃいました、と言ったら、とんだ浮気者だねって言われました」と、中島も申し訳なさそう。
岩田は、中島の髪の毛を「芝質」と呼び、まるで芝を刈るみたいに、長さを調整してくれるのだそうだ。
「髪を切っているときの岩田さんが可愛くて。楽しいんですけど我慢できなくて。昨日切りに行っちゃいました」と、一連の顛末を明かした中島。
「岩田さんは、僕の“芝質”はもう掴んだのでいつでも、って言ってくれているので、また切ってもらいたいな」。
岩田は勝ちたいし、刈りたいしで、うずうずしているみたいだ。
※誤字脱字が多く、大変申し訳ありませんでした。