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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2023

中島啓太が首位キープ「軽めのお相撲さんか、ラグビー選手を一人担いでコースに来ます」畏るべし、賞金王の日課

初日の「63」に続いて、4アンダーの「66」。
新・賞金王が首位を快走している。

2日目を終えて、通算11アンダーはただひとりの2桁アンダーで、2位の蟬川、金谷に2打差。
中島啓太(なかじま・けいた)が元気にV争いを続けている。



5メートルのイーグルチャンスを打った17番ほか5つのバーディもさることながら、崖下から戻してしのいだ1番や、逆目の奥ラフからピンにくっつけ、パーを拾った14番こそ、新キングの真骨頂だ。


今季最終戦で今季4勝目を飾れれば、史上5人目(6例目)の2億円を達成する。

でも、「すでに2日目も金谷さんと優勝争いをやってる気分。ずっと金谷さんと回りたいので。明日も一緒に回れるので凄く楽しみ」と、一番のモチベーションが、大好きな2つ上の先輩なのも相変わらずだ。


当週は、すでに月曜日に持ち上げてきた。
シーズン最終戦でも、100キロのバーベルを担いでから会場入りをするのが常という。

「イメージ的には、少し軽めのお相撲さんか、ラグビー選手を一人担ぎ上げてから来る感じですかね」とはJGA強化スタッフの栖原弘和・フィジカルコーチ。



朝は20キロのバーベルの左右に20キロの重しを2個ずつ。
それを肩に担いで1セット3回のスクワットを2~3セットしてコースに来る。

オフウィークにはさらに20キロの重しを追加し、計120キロを3~5セット。ピーク時は、試合中でも週に2~3回のペースで負荷をかけて臨んできたそうだ。


日体大に入学してすぐ本格的に筋トレを開始した頃には、この半分も上げられなかったという。

でも、今ではどんなにハードにやっても筋肉痛知らず。


誰もが練習量を減らすか、または温存を優先し、まったく控える選手も出てくるのが終盤戦だが、中島のルーティンは今週の最終戦でもほとんど変わらず、トレーニングとストレッチ、ケアで仕上げたあと、スタートの約1時間ほど前からパット練習を開始し、アプローチとバンカー。

次いで打撃場では、60度のウェッジから打ち始めて52度⇒46度⇒9番⇒6番⇒4番⇒ユーティリティ⇒スプーン⇒ドライバーと、順々に番手を上げて、最後動画チェックで完了。


写真は、お天気がばえた初日の分です


ティ前で、栖原コーチとグータッチをかわし、清々しく出て行くと、また賞金2位の金谷と切磋琢磨し、颯爽とV争いを繰り広げて首位キープ。


栖原トレーナーとのグータッチも日課のひとつ(写真は初日)


いよいよ最終戦でもまだどこかに余裕すら感じさせるのは、終盤戦から逆算し、「夏から秋にかけて体力強化を行いました」という栖原コーチの戦略によるところが大きい。

「上達のために球を打つことは大切ですが、ゴルフが上手くなるための方法は球を打つことだけではない。集中して質の高い練習をするために適切な身体の準備をすることが重要」。


目先だけでやみくもに鍛えたり、球を打ったりではない逆算尽くしの好循環が、新時代のキングを生んだ。

もっとも2週後には、賞金1位の資格で掴んだ米二部「コーンフェリーツアー」の予選会も控えており、今年の仕上げはまだまだ先。
「今シーズンが終われば、また少しハード目なのを始める予定です」と、栖原コーチ。
100キロものバーベルも「きょうの夕方か、明日朝にはまた・・・」とは、中島本人だ。
最終戦でのV争いも、無尽蔵の体力あってこそ、なのである。


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