この日は、早朝の冷え込みで霜が降り、そもそもの高速グリーンがますますカチコチ。
「硬くてスピードもありましたし、ピンの位置も難しかった。バーディチャンスも限定された場所しかないのかな」。
ショットも乱れがちになり、伸ばしあぐねて7メートルを沈めた8番が、やっとこの日最初のバーディだった。
もたつくうちに、同じ組の蟬川が1番でいきなりショットインイーグルを奪うなど、タイガチャージで逆転され一時2位に後退。
3日間ワーストの「68」と忸怩たるラウンドにはなったが、8メートルを沈めた12番や、17番では「価値あるバーディ」と、3打目を寄せた4メートルのチャンスも逃さず、蟬川がダブルボギーで崩れた最後18番では手前の上りスライスラインを確実に2打で沈めてパーセーブ。
蟬川と並ぶ通算13アンダーで、初日からの首位を守った。
慣例により、賞金ランキング順に組まれた初日から続く4日連続の最終組は蟬川と、今度は石川と同組。
最終日は賞金2位の金谷が外れたが、「金谷さんとの優勝争いも、終わっていない」。
ひとつ後ろの存在も、もちろん意識しながら闘う。
今年60回目を迎えた本大会で、完全優勝なら史上9人目の快挙。また、今季4勝なら史上5人目(6例目)の獲得賞金2億円越え。
偉業に挑む最終日は「おそらく、たくさんギャラリーの方が来られるので盛り上がると思いますし、その中で良いプレーに集中し、明日勝ちたいなと思います」。
賞金レースは先週で、すでに終了した。
呪縛から放たれた新賞金王が、今年最後に最強の称号を獲りに行く。