プロ13年目。28歳は、まだまだのはずだが、本人には「もう若くない・・・」。
昨今の勢いに、すでにベテランの気持ちになるきょうこのごろ。
稲森佑貴(いなもり・ゆうき)が、初日からの首位を守った。
7季連続のフェアウェイキープ1位でさえこの日の風に翻弄された。
「戻されて、縦距離も合わない。2番では、きょうもバンカーにつかまった」と、ボギーが先行。
「何も考えられない。風のことで頭がいっぱい」と、必死で踏ん張り「無理をすると墓穴を掘る。目の前に集中した」と、「71」のイーブンパーで回りきり、「相当耐えた」と、汗を拭った。
2位と2打差は初の完全Vへの布石に見えるが、なぜか「並んで欲しかった」と、稲森はいう。
「むしろ誰か10アンダーまで来てくれないかと思っていた」と、望みどおりに15番で並ばれた。
喝采もつかの間、17番で鈴木晃祐(すずき・こうすけ)がトリプルボギーを叩いて、また差が開いてしまった。
「追いかけられるのは、好きじゃない」と、不本意ながらの首位キープだ。
「ここのゴルフ場だからこそ同スコアからスタートしたかった、というのはありますけどあまり贅沢もあれなので・・・今いる位置に感謝したい」などと、心構えを懸命に模索。
「このコースでは2打差はあってないようなもの」と気を引き締め直した。
3日目の勝俣と清水に続いて、最終日最終組もまた、永野と中島の飛ばし屋2人に挟まれることになった。
「彼らはショートアイアン。方や、ロングアイアン」と、時には100ヤードも後方からセカンドオナーも「とりあえず、フェアウェイキープしないと“ただの飛ばない人”になってしまう」と、持ち味を死守して対抗。
5年前にここで「日本オープン」が行われたときから、感じていた。
当時も「飛ばし屋有利なコース」と、痛感しながらのツアー初優勝だった。
「彼らは彼らの世界がある。僕は僕の世界で頑張ります」と、改めて心に誓った。
「5年前の初優勝の喜びは、今も鮮明に覚えています」と、今も噛みしめる。横浜で、またひとつ忘れられない思い出を作る。