風が吹き、地面が乾き、もっとも難条件の最終日にボギーを叩いたのは右バンカーから2メートルのパーパットが残った15番だけだった。
スタートの1番で6メートルを決めてバーディ発進すると、11番までパーを続けて、4メートルを沈めた12番から3連続を決めると、15番を挟んで16番から連続バーディと、後半31の猛チャージ。
だが、本人は「冷めていた」と言い張る。
今オフ、参加したアジアンツアー3戦とも予選敗退して自信喪失して以降は「練習するのも嫌」モードに突入。
「調子が悪すぎて・・・」。
今大会も、海外らしい会場の雰囲気や、欧州ツアー仕様のセッティングを味わうどころか日に日に消沈し、ついに自分に腹を立てることもやめて「何も思わない」と、心は無に。
「ずっと冷めっぱなしです。ただでさえ、いつも冷めて見られるのに。今週見に来てくれた人に何こいつ、と思われているかもしれない。今週はそれくらい冷めていた。今も冷めてます」と、振り返った4日間。
雑念がないから集中できた。
「グリーンが固いので。頭を使いながら。フェアウェイに行かないと無理だから、刻んで、 ボギーを打ちたくないからなんとか乗せれるほうへ。ずっと汚いゴルフをしてました」。
淡々と向き合い、最後のバックナインでやっと欧州ツアーらしい空気を堪能しはじめたところで終わった。
「どうせなら、最初からもっと上でやってみたかったが届きませんでした」。
2打差の4位をちょっぴり口惜しがった。
大会は、通算14アンダーのルーカス・ハーバートと、アーロン・コカリルがプレーオフを争い、豪州のハーバートが2ホール目のティショットを右に曲げながら、ピン右2メートルに乗せる起死回生のバーディで、欧州ツアー3勝目を飾った。